<本文>
平成9年度(1997年度)のわが国(日本)の原子力発電所の設備利用率は、営業運転中の全原子力発電所(52基、総発電設備容量45,083万kW)平均で81.3%、また、時間稼働率は、平均で81.8%であった。わが国の電気事業用の原子力発電所は、1966年に日本原子力発電・東海原子力発電所(GCR)が初めて営業運転を開始し、1975年前後に初期トラブルや
応力腐食割れ(
SCC)等によって設備利用率は40〜50%で低迷したが、その後、設備の改善などを実施し、1983年度に時間稼働率及び設備利用率ともに70%を超えて以来、10年以上にわたり70%台の高い比率を維持してきた。そして、1995年には80%を超えた。平成9年度(1997年度)に新たに2基のプラントが営業運転を開始した。新たなプラントは、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所7号機(
ABWR 135.6万kW,1997年7月2日運転開始)と九州電力・玄海原子力発電所4号機(
PWR 118.0万kW、1997年7月25日運転開始)である。
1997年度のわが国の原子力発電所の設備利用率及び時間稼働率を
表1-1 、
表1-2 に示す。また、炉型別の設備利用率及び時間稼働率を
表2 に示す。
なお、設備利用率及び時間稼働率の定義はつぎのとおり:
(1)設備利用率=( 発電電力量/(認可出力×暦時間) )×100(%)
(2)時間稼働率
・ユニットの時間稼働率
時間稼働率=(発電時間/暦時間)×100(%)
・発電所別、電力会社別、合計の時間稼働率(出力按分をした平均時間稼働率)
平均時間稼働率=((認可出力×発電時間)の合計/(認可出力×暦時間)の合計)×100(%)
<図/表>
表1-1 1997年度わが国原子力発電所の設備利用率と時間稼働率(1/2)
表1-2 1997年度わが国原子力発電所の設備利用率と時間稼働率(2/2)
表2 わが国の原子力発電所の炉型別の設備利用率と時間稼働率
<関連タイトル>
日本の原子力発電所の時間稼働率の推移(2004年度まで) (02-05-02-01)
日本の原子力発電所の設備利用率の推移(2004年度まで) (02-05-02-02)
平成9年度わが国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率 (12-01-01-19)
<参考文献>
(1)通商産業省資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課(編):原子力発電所運転管理年報 平成10年版(平成9年度実績)、p.48-59、火力原子力発電技術協会(1998年9月)
(2)日本原子力産業会議(編):世界の原子力発電開発の動向 1997年次報告、p.80-81(1998年5月)