<概要>
二酸化ウラン粉末を原料として、
ペレット成形、焼結、研削工程を経て、ペレットができあがる。このペレットは密度、寸法、
O/U比(酸素対ウラン原子数比)などの検査を受け、燃料棒加工工程へ送られる。
<更新年月>
1998年05月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
二酸化ウラン・ペレットの製造工程を
図1 に示す。基本的には二酸化ウラン粉末を圧縮成形して円筒形状の成形体(グリーンペレット)とし、これを約1700℃の水素雰囲気中で焼成して焼結ペレットとすることである。
流動性の良い二酸化ウラン粉末は均一な密度の成形体が得られ、焼結時の収縮も均一である。しかし、流動性の悪い粉末を圧縮成形して焼結すると、ペレットの軸方向中央部が特に収縮して鼓型になりやすい。粉末の流動性を改善するために、粗成形、造粒工程を経る。これは、粉末を圧縮して円盤状の成形体を作り、これを破砕して篩い分けし、潤滑剤を少量添加して混合する工程である。
ペレット成形においては、焼結収縮率を考慮して大きめの直径をもつ金型を作り、これを使って粉末または造粒粉末を圧縮成形し、グリーン・ペレットを得る。
グリーン・ペレットをモリブデン製容器に入れ、これを約1700℃の水素雰囲気をもつ焼結炉に挿入し、4時間から8時間かけて焼結する。この焼結工程により、密度が約95% 、O/U 比が2.00の焼結ペレットを得る。一般に比表面積の大きい粉末は、化学的に活性で高い焼結密度を得ることができる。その一例を
図2 に示す。
焼結ペレットの外周は被覆管の内面と接し、その間隙は熱伝導性を良くするために微小寸法に管理されている。そこで、焼結ペレットの外周をセンタレス・グラインダで研削し、外径を精度よく仕上げる。
他方、焼結ペレットから分析用サンプルを抜き取り、
ウラン濃縮度、O/U比、不純物等を分析測定する。
<図/表>
<関連タイトル>
六フッ化ウランから二酸化ウランへの再転換 (04-06-02-01)
ペレット製造工程 (04-06-02-03)
集合体組立工程 (04-06-02-05)
燃料加工における検査工程及び品質保証 (04-06-02-06)
<参考文献>
(1)火力原子力発電技術協会(編):原子燃料サイクルと廃棄物処理、
火力原子力発電技術協会(昭和61年6月)
(2)原子力安全研究協会(編):軽水炉燃料のふるまい(改定新版)、
原子力安全研究協会(平成2年7月)