<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 石油政策
<タイトル>
日本の短期、中期の石油供給計画(1999〜2003年度) (01-09-03-03)

<概要>
 1999年度から2003年度までの5年間の石油製品内需見通しは、電力用の石炭・LNG 発電の新規稼動によりC重油の需要が減少するが、他の全ての油種で漸増すると見込まれている。石油供給計画の面では、国内石油製品の市況の状況から、急激に輸入が増大することはなく、内需の伸びに応じて、漸増していくものと考えられている。また、期末在庫は、漸減していくと見込まれる。
<更新年月>
2000年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
石油業法(1962年5月11日公布)第3条(石油供給計画)において、通商産業大臣(現経済産業大臣)は、通商産業省令(現経済産業省令)で定めるところにより、毎年度、当該年度以降の5年間について石油供給計画を定めなければならない。
 2 石油供給計画に定める事項は次のとおりとする。
 一.原油の生産数量
 二.石油製品の生産数量および輸入数量
 三.特定設備の処理能力
 四.その他石油供給に関する重要事項
とある。これに基づいて、1998〜2003年度石油供給計画が定められているので、以下にその概要を述べる。
1.石油製品内需見通し(1998〜2003年)
1.1 1999年度の燃料油全体の国内需要は、揮発油は引き続き堅調に伸び(対前年度比1.5%増)、灯油も1997年度の暖冬による落ち込みの反動などにより対前年度比増加するものの(対前年度比1%増)、電力用C重油の石炭・LNG発電の新規稼働による減少などを反映してC重油が減少すること、景気の停滞などから、燃料油計全体として対前年度比0.7%減の2億3,547万5千kl(キロリットル)と見込まれる。2000年度以降も、揮発油は引き続き堅調に伸長するが、ナフサおよび中間留分は微増程度にとどまり、また、石炭・LNG発電などの新規稼働により電力用C重油が低減基調にあることから、燃料油全体の国内需要としては、2003年度まで漸増し、2003年度には2億3,762万klになると見込まれる。石油製品の内需見通し(総括表)を 表1に示す。
1.2 主な燃料油別に国内需要をみると次のとおりである。
(1)揮発油については、1999年度は、乗用車の保有台数の堅調な伸びなどにより5,633万kl(対前年度比1.5%増)となり、その後も同様の傾向により1999〜2003年度平均1.1%の堅調な伸びを示すものと見込まれる。
(2)ナフサについては、1999年度は、韓国・タイなどでエチレンプラントの立ち上りなどの影響を受けエチレン誘導品輸出が減少することなどを反映し、4.221万kl(対前年度比2.1%減)と見込まれる。2000年度以降はエチレン誘導品の東南アジア向け輸出は減少するものの、国内向け石化製品需要の若干の増加に伴い、2003年度まで年平均0.2%程度の伸びで推移すると見込まれる。
(3)灯油については、1999年度は、鉱工業生産の伸びに伴い産業用が増加するとともに、1997年度の暖冬の反動により民生用も増加したが、全体として2,869万kl(対前年度比1.1%増)になると見込まれる。2000年度以降は、鉱工業生産の伸び、世帯数の増加などを反映して、年平均0.7%程度の伸びで推移すると見込まれる。
(4)軽油については、2000年度は景気の停滞で貨物輸送量の減少などにより4,286万kl(対前年度比2.0%増)になると見込まれる。2000年度以降も景気の停滞で貨物輸送量は減少するとともに、軽油自動車の保有台数の頭打ちにより、2003年度まで年平均0.4%程度の漸減で推移すると見込まれる。
(5)重油については、1999年度の国内需要は、次の要因により、重油全体では、6,376万kl(対前年度比1.6%減)になると見込まれる。
 イ 電力用C重油の需要は、石炭・LNG火力発電の新規稼働により減少し、1,251万kl(対前年度比5.8%減)になると見込まれること
 ロ その他用C重油の需要は、基礎素材型産業の生産活動の低調および他燃料への転換を反映して、2,030万kl(対前年度比1.4%減)となると見込まれること
 ハ A重油については、鉱工業用は基礎素材型産業の生産活動の低調により微減となる一方、その他用は1997年度の暖冬の反動などにより微増となることから、全体としてほぼ横這いの2,752万kl(対前年度比0.1%減)になると見込まれること
 2000年度以降についても、電力用C重油の減少傾向などを反映し、重油全体で2003度まで年平均0.4%程度で漸減すると見込まれる。
1.3 石油ガスについては、1999年度は、1997年度の暖冬による需要低迷の反動などにより家庭業務用および都市ガス用需要の増加が予想されたが景気の停滞で伸びず、1,896万トン(対前年度比0.0%増)と見込まれた。その後も家庭業務用などの国内需要の増加があまり期待できず、2003年度まで年平均0.02%の伸びに留まることが見込まれる。 表2 に石油製品需要想定方法を示す。
2.供給計画(1999〜2003年度)
 1999〜2003年度石油供給計画を 表3-1 および 表3-2 に示す。
2.1 石油製品輸入については、アジア地域の需要は、従来ほどの高い伸び率ではないが、中期的に増大傾向にあることに加え、最近の国内石油製品市況の状況などを鑑みれば、急激に製品輸入が増大することは考えにくいものの、石油製品市場の国際化の進展などに伴い、全体としては、内需の伸びに応じて、2003年度に向けて漸増するものと見込まれる。
 揮発油の輪入については、1999年度は、前年度に比べて増加して94万kl、2000年度以降は、内需の伸びに伴い漸増するものと見込まれる。
 ナフサの輸入については、1999年度は、前年度に比べて減少して2,655万klとなるが、2000年度以降は内需の伸びに伴い漸増するものと見込まれる。
 灯油の輸入については、1999年度は、前年度の暖冬の反動などにより増加して243万klとなり、2000年度以降も、大気温を一定とすると、輸入量は微増するものと見込まれる。
 軽油の輸入については、1999年度は59万klとなり、2000年度以降も、アジア地域での需要が増大傾向にあると予想されることから、輸入量はほぼ横這いで推移するものと見込まれる。
 重油の輸入については、1999年度は195万klと見込まれる。2000年度以降は、国内需要は減少する一方、わが国燃料油の白油化傾向への対応により低硫黄重油の供給能力の減少が見込まれることから、輸入量はほぼ横這いで推移するものと見込まれる。
 さらに、石油ガスの輸入については、1999年度は1,468万トンと見込まれ、2000年度以降も内需の増加を反映して輸入は増加し、2003年度には、1,480万トンになると見込まれる。
2.2 石油製品生産については、上述の国内需要の動向を反映し、1999年度の原油処理量は減少し、2億2,076万kl(対前年度比1.2%減)になると見込まれる。2000年度以降は、内需の伸びに伴い原油処理量は漸増し、2003年度は2億2,470万kl(年平均伸び率0.5%増)になると見込まれる。また、石油ガスの生産は、1999年度は前年度と比べて減の432万トンと見込まれ、2000年度以降は、原油処理量の動きに従い推移し、2003年度には434万トンになると見込まれる。
2.3 この結果、1999年度の原油輸入量は、2億5,365万kl(対前年度比5%減)となる。その後は、原油処理量に対応して漸増し、2003年度は、2億5,734万kl(年平均伸び率0.4%増)になると見込まれる。
 また、各期末の在庫水準については、規制緩和などにより石油各社のコスト削減意識が向上していることに伴い、製品在庫は漸減していくものと見込まれる。
<図/表>
表1 1999〜2003年度石油製品内需見通し(総括表)
表2 石油製品需要想定方法
表3-1 1999〜2003年度石油供給計画(1/2)
表3-2 1999〜2003年度石油供給計画(2/2)

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<関連タイトル>
日本の石油開発プロジェクト (01-03-02-03)
日本の石油備蓄の現状と課題 (01-03-02-04)
日本の石油エネルギー政策 (01-09-03-05)

<参考文献>
(1) 通商産業省資源エネルギー庁石油部(監修):平成11年 石油資料、石油通信社(1999年8月)、p.18-19,p.26-29
(2) 資源エネルギー庁(監修):1999/2000 資源エネルギー年鑑、通産資料調査会(1999年1月)、p.290-300
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