<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 日本の一次エネルギー
<小項目> 石油
<タイトル>
日本の石油開発プロジェクト (01-03-02-03)

<概要>
 わが国(日本)の石油資源に多くは期待できないが、未探鉱地域がかなり残されていることから、国内の石油・天然ガス資源の開発を目的に、「石油及び可燃性天然ガス資源開発法」が昭和27年(1952年)に制定された。この法律に基づいて、8次にわたる「国内石油及び可燃性天然ガス資源開発5カ年計画」が立てられ、開発が進められてきた。年次計画終了後は国内基礎調査実施検討委員会(資源エネルギー庁石油部内)が設立され、国内基礎調査及び基礎物理探査が進められている。
<更新年月>
2002年11月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
日本国内の石油採取の歴史は天智7年(668年)にまで遡ることができるが、本格的石油産業の発祥は明治21年(1888年)である。しかし、太平洋戦争終了の時点(昭和20年、1945年)でも石油の未探査地域がかなり残されていた。
 わが国の石油資源は、量的な面では多くを期待し得ないとの見方が強いものの、陸域、海域ともに未探鉱地域が相当程度残されていること、石油探鉱技術の進歩により既存探鉱地域も含めて年々より高精度での埋蔵量評価をできるようになってきている等、新たな探鉱・開発の余地は相当程度残されている。また、国内における石油・天然ガスの開発は、石油開発企業が海外における自主開発事業を推進する上での経営的・技術的基盤形成の場として、政策的にも極めて大きな意義を有している。特に技術面については、海外における利権取得に際し重要な要件となるオペレーター能力(石油開発企業が探鉱開発作業を実施・管理する能力)の養成に役立っているという点を重視すべきである。
 上述の理由により「石油及び可燃性天然ガス資源開発法」が1952年に制定された。この法律は、油ガス層の採掘に関する規定、探鉱費補助金に関する規定の他に、石油及び可燃性天然ガス資源開発計画策定のための審議会の設置を定めている。
 この審議会によって資源開発計画が策定され、1955〜1961年の第1次5カ年が始まり、1990〜1994年度の第7次5カ年計画まで継続された。
 各5カ年計画(5年間でない期間もある)の主な事業は以下のとおりである。
・第1次(1955〜1961年度);石油資源の探査開発策の策定
・第2次(1962〜1965年度);遊離型天然ガス鉱床の探鉱促進
・第3次(1966〜1969年度);東北日本海側陸域の深層および有望未探鉱浅海部の探鉱。深部地震探鉱と層序試錐から基礎試錐および基礎物理探査への発展。
・第4次(1970〜1973年度);北海道、九州の陸域と大陸棚を重点的に探鉱。
・第4次の修正延長(1974〜1976年度)、再延長(1977〜1979年度);大陸斜面の基礎物理探査。
・第5次(1980〜1984年度);水深200〜500mの基礎試錐、500〜2000mの基礎物理探査、東北日本海側以外の有望地域の基礎物理探査と基礎試錐。
・第6次(1985〜1989年度);深部層を重点に基礎調査。
・第7次(1990〜1994年度):日本海深部グリーンタフ等の基礎試錐、基礎物理探査。
 この間に、同審議会の「石油及び可燃性天然ガス資源開発促進に関する意見」(昭和41年8月30日)を受けて、昭和42年度(1967年)以降、石油公団(当時は石油開発公団、現石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が、通商産業省(現経済産業省)から受託して国内石油天然ガス基礎調査事業を実施するようになった。
 同審議会による計画の建議・答申を経て、第8次5カ年計画が実施された。
・第8次計画(1995年〜1999年度):資源ポテンシャルの確認と将来の資源課題の解明、メタンハイドレート等の非在来型天然ガスに必要な技術開発
 同5カ年計画に則り、1997年度は、新潟県長岡市、北海道夕張市において基礎試錐を掘削し、秋田県陸上において、基礎物理探査を実施した。また、南海トラフ及び三陸沖でメタンハイドレートの開発促進調査を実施した。1998年度は、新潟県陸上、千葉県陸・海上において基礎物理調査を実施した。1999年度は海上基礎試錐「南海トラフ」、陸上基礎試錐「小国」、国内基礎調査実施検討委員会 (資源エネルギー庁石油部内)が設立され「水沢」、「東海沖浅海域」、メタンハイドレート開発促進調査などのプロジェクトを実施した。
 第8次5カ年計画の終結に伴い、1999年4月より国内石油・天然ガス基礎調査のあり方について、ワーキンググループ(石油審議会開発部会(現総合資源エネルギー調査会石油分科会開発部会)基本政策小委員会の下部ワーキンググループで、同委員会の諮問機関)が組織され、1999年7月30日、石油審議会開発部会基本政策小委員会へ最終報告が提出された。
 また、同報告書で、事業の公正性、公開性をたかめるために、中立的な学識経験者からなる委員会が必要との指摘を受けて、2000年6月に国内基礎調査実施検討委員会 (資源エネルギー庁石油部内)が設立され、2000年6月14日、7月6日と審議が行われた。平成12年度以降の国内基礎調査の実施について審議された結果、2000年度事業計画として、基礎試錐「チカップ」(北海道)、基礎物理探査「別海」(北海道)、「新津」(新潟県)、メタンハイドレート開発促進調査などを実施することになった。2001年度は、新潟県新津の基礎試錐を開始し、東海沖〜熊野灘、佐渡沖南西及び石狩平野北部の基礎物理探査を開始し、現在に至っている。
 わが国で産出される天然ガスおよび原油の生産量推移を 表1 に、第一次から第七次までの基礎調査で実施された試錐の実績地図を 図1 に示す。また、日本のメタンハイドレートの分布を 図2 に示す。メタンハイドレートについては、ATOMICA 天然ガス事情 <01-03-03-01> を参照されたい。
<図/表>
表1 国内生産の原油および天然ガス生産量の推移
図1 国内基礎調査試錐実績地図
図2 日本のメタンハイドレートの分布

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<関連タイトル>
海外石油開発プロジェクト (01-03-02-02)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁(監修):1999・2000資源エネルギー年鑑、通産資料調査会(1999年1月)、p.352-372
(2)資源エネルギー庁(編):エネルギー2003、(株)エネルギーフォーラム(2002年11月)
(3)(財)日本エネルギー経済研究所計量分析部(編):EDMC/エネルギー・経済統計要覧 2002年版、(財)省エネルギーセンター(2002年2月)
(4)石油公団:国内石油・天然ガス基礎調査、概要
(5)石油公団:研究・開発、財務情報、各事業年度の事業報告の概要
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