<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 日本の一次エネルギー
<小項目> 原子力
<タイトル>
電力各社の電源別構成比(平成14年度計画) (01-03-04-07)

<概要>
 電力業界では、2000年3月から電力小売りが部分自由化され、さらに2001年11月からスタートした総合資源エネルギー調査会電気事業分科会において、全面自由化に向けて実効性のあるシステムの構築が進められている。また、3月に策定された「地球温暖化対策推進大綱」(新大綱)により、原子力の推進を中心にCO2排出削減目標の達成(2010年度に1990年度実績の20%低減)に迫られている。一方、電力需要はこれまでになく冷え込んでいる。このため、電力各社の2002年度供給計画は、電力需要の鈍化から2011年度までの年平均伸び率は、販売電力量、最大電力ともに過去最低を予想し、これに対応するものとなった。
<更新年月>
2004年06月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 電力業界では、2000年3月から電力小売りが部分自由化され、さらに2001年11月からスタートした総合資源エネルギー調査会電気事業分科会において、全面自由化に向けて実効性のあるシステムの構築が進められている。また、3月に策定された「地球温暖化対策推進大綱」(新大綱)により、原子力の推進を中心にCO2排出削減目標の達成(2010年度に1990年度実績の20%低減)に迫られている。一方、長引く景気の低迷から、2001年度は販売電力量が15年ぶりに前年度実績割れとなり、2002年度も2年続けて前年割れとなる見通し。電力需要はこれまでになく冷え込んでいる。このため、電力各社の2002年度供給計画は、電力需要の鈍化から2011年度までの年平均伸び率は、販売電力量、最大電力ともに過去最低を予想。今年度の設備投資は電力10社合計でピーク時の半分の2兆4456億円と絞り込んだ。向こう10年間の電源開発は4514万kW(IPP(Indipendent Power Producer)入札電源含む)で、このうち原子力は13基、1750万kWの開発を計画している(表1)。
1.電力需要
 電力10社合計の2011年度の販売電力量は9587億kWh、8月の最大電力は1億9705万kWで、向こう10年聞の年平均伸び率は、いずれも過去最低の伸び率。年負荷率は2011年度には58.8%となる見通し。
2.電源開発計画
 電力各社の電源開発量は、2011年度までの10年間で4514万kW。卸供給事業者の入札電源は、向こう10年間の調達量として496万kWが計上されている。これらの電源開発により、2011年度まで必要供給予備力を確保できる見通し。なお、表2に示すように既着手電源は5757万kW。今年度に865万kWの電源を新たに着手する計画。電源種別々の発電電力量は表3に示すとおり。2011年度には、原子力41%、水力9%、石炭火力19%、LNG火力23%および石油火力6%となる見込みである。
(1)北海道電力
 北海道電力は、向こう10年間の重点項目として、1)電力安定供給の確保に向けた取り組みの推進、2)地球環境問題への積極的な取り組み、3)徹底した効率化の推進−の3項目を掲げている。まず、電力安定供給の確保に向けては、苫東厚真発電所4号機運転開始に加え、京極発電所1号機および泊発電所3号機の導入を着実に推進し、バランスのとれた電源構成を実現する(表4) 。
 地球環境問題への対応では、泊発電所1・2号機の着実な運転と3号機の導入によって、CO2排出抑制に努めるとともに、省エネの推進、電源の熱効率向上など、エネルギー利用効率の向上を図る。効率化については、安定供給と高い供給信頼度を確保しながら、設備形成・設備運用全般における徹底したコスト削減を図るとともに、北海道の地域特性を踏まえた負荷平準化の取り組みを一層強化する。北海道電力管内の電力需要は、2011年の販売電力量が341億kWhで、年平均伸び率は1.4%、同12月最大電力は607万kWで、同1.7%と想定している。
(2)東北電力
 東北電力は、向こう10年間の電力需要を中長期的な経済情勢や省エネルギーの進展などを勘案して、2001年の想定値を下回る年平均伸び率1.1%を想定している。電灯や業務用電力については、比較的安定した伸びで推移するとみているが、高圧電力や特定規模需要など産業用需要は、生産活動の停滞と省エネ対策の推進によって伸び悩むとみられる。一方、最大電力は冷房空調機器の着実な普及拡大など増勢要因はあるが、負荷平準化に向けた取り組みの強化などから、年平均伸び率1.0%を想定している。また、設備形成にあたっては、価格競争力の強化と需要変動への柔軟性の確保が一段と重要になるとみられることから、コスト低減のために設備のスリム化などにより一層の効率化を図る。表5に電源開発計画を示す。
(3)東京電力
 向こう10年間の電力需要は、経済成長率の鈍化、競合エネルギーの普及、省エネルギーの進展などにより、販売電力量・最大電力ともに増勢は緩やかになることが見込まれる。しかし、最大限の営業努力を行うことを前提に、2011年度の販売電力量は3256億kWh、最大電力は6847万kWと想定、それぞれ年平均伸び率は、1.4%、1.5%となる見通しである。今回の伸び率は、販売電力量、最大電力ともに過去最低水準であった前回計画をさらに下回るもので、4年連続の下方修正である。今後10年間で1579万kWの電源開発を行う。設備投資額は、今後の需要動向の変化や自由化の進展などをふまえて弾力性のある設備を形成するとともに、従来からのやり方にとらわれず、地域や現場の実態に則した設計・施工の最適化、仕様合理化、新技術開発・導入などを推進することにより削減をめさす。これにより、設備投資額は2004年度までの3年間平均で7400億円程度、2002年度の設備投資額は7978億円とする。主な電源開発計画を表6に示す。
(4)中部電力
 中部電力の2002年度供給計画は、次の3点を重点項目として策定した。
・安定供給の確保
・競争を勝ち抜くためのさらなる効率化の推進
・地球環境問題への積極的な取り組み
 2011年度の販売電力量は1410億kWh、最大電力は2955万kWを計画。それぞれ年平均伸び率は1.2%、1.4%。電源設備計画は向こう10年間で、他社(日本原子力発電、上越共同火力発電ほか)開発による受電分を合わせて合計598万kWの電源を開発するとともに、高コスト・低効率の発電設備を廃止し、電源設備全般の効率化を図る。電源開発着手着工計画を表7に示す。
(5)北陸電力
 2011年度の販売電力量は297億kWh、最大電力は603万kWで、いずれも年平均伸び率は1.3%と想定。電源開発計画は、長期にわたる電力の安定供給を図るため、品質管理、環境保全、工事安全に万全を期し、志賀原子力発電所2号機の建設を着実に推進する。北陸電力の2002年度供給計画は、以下の3つの事項に重点をおいて策定した。徹底した経営効率化の推進、エネルギーセキュリティの中核である原子力を推進するとともに、発電から流通に至るネットワークの整備を行う。原子力発電、省エネルギーの推進などによる環境負荷低減に資するさまざまな取り組みを推進する。
(6)関西電力
 関西電力は、経営全般にわたる徹底した効率化を推進するとともに、エネルギーセキュリティの確保や地球環境問題への対応など長期的かつ公益的な課題についても引き続き取り組んでいくことを目指し、以下の3項目に重点をおいて、2002年度供給計画を策定した。
・競争力の強化
・エネルギーセキュリティの確保
・地球環境保全の推進
 2011年度の販売電力量は1578億kWh、最大電力は3330万kWで、いずれも年平均伸び率は0.9%と緩やかな伸びを想定している。
(7)中国電力
 中国電力管内の電力需要は、中長期的には安定的な経済成長や情報化・高齢化の進展、アメニティー指向の高まりに伴うエネルギーの電力シフトなどにより、緩やかながら着実に増加すると予想。こうした電力需要動向に対応し、合理的な設備形成、長期的なエネルギーの安定供給確保を図るとともに、地球環境問題にも積極的に対応するため、原子力発電の開発に全力を挙げて取り組み、バランスのとれた電源開発を推進する(表8)。
 2011年度の販売電力量は627億kWh、最大需要電力は同1296万kWで、年平均伸び率は、それぞれ1.3%、1.7%と予想。電源開発計画は、安定供給の確保、効率的な設備形成を基本に.電源多様化の推進、地球環境問題への対応などにも配慮して計画した。
(8)四国電力
 2002年度供給計画は、以下の項目に重点をおいて策定した。1)設備の形成、運用面での一層の効率化の推進。2)中長期的な安定供給の確保。3)お客さまのニーズに即した営業活動の推進。4)広域運営の推進。5)地球環境問題への取り組み。需要想定は、2011年度の販売電力量が294億kWh、最大電力が610万kWで、年平均伸び率は1.2%(気温補正後1.4%)、1.2%(気温補正後1.1%)を予想している。
(9)九州電力
 2002年度供給計画は、供給コストの低減と電力の長期安定供給など以下の4つの視点で策定した。
・供給コストの低減
・電力の長期安定供給
・環境対策の推進
・負荷平準化対策の推進
 電力需要は、2011年度の販売電力量が863億kWh、最大電力が1821万kWで、年平均伸び率は、それぞれ1.3%、1.6%となる見通し。電源開発計画は、原子力を中核としてバランスのとれた電源開発を推進する。
(10)沖縄電力
 2002年度供給計画は、長期的視点に立った効率的な設備形成を目指し、より一層のコスト低減に努めることを基本に、次の3項目に重点をおいて策定した。
・徹底したコスト低減の推進
・効率的な電力供給システムの構築と強化
・環境対策への取り組みの強化
 2002年度の販売電力量は69億5700万kWhで、対前年伸び率0.7%、最大電力は142.4万kWで、同2.0%を予想。2011年度の販売電力量は84億7700万kWh、最大電力は172.3万kWで、年平均伸び率はそれぞれ2.3%、2.4%を見込んでいる。
<図/表>
表1 電源開発量(10電力・卸電気事業者・卸供給事業者その他)
表2 既着手電源および新既着手計画(10電力・卸電気事業者)
表3 発電電力量構成の推移(一般電気事業用)
表4 今後10年間に開発する電源(北海道電力)
表5 電源開発計画(東北電力)
表6 主要な電源開発計画(東京電力)
表7 電源開発着手着工計画(中部電力)
表8 電源開発計画(中国電力)

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<関連タイトル>
平成12年度電力供給計画 (01-09-05-16)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁:平成14年度電力供給計画について(2002年3月)
(2)(株)日工フォーラム:電力10社の平成12年度供給計画、エネルギー、35(6),p.98-117(2002年6月)
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