<大項目> 国際協力・原子力関連機関
<中項目> 海外の原子力関連機関
<小項目> 国際機関(IAEA・OECD等)
<タイトル>
チェルノブイルセンター(CC)と国際チェルノブイルセンター(ICC) (13-01-01-24)

<概要>
 1991年に独立したウクライナは、チェルノブイル事故の影響、原子力と放射能の安全、施設の解体等の研究開発を進めるため、1996年に「チェルノブイルセンター(CC)」を政府直轄で設置した。2007年、CCは緊急対策省の傘下に移り、2008年、名称を「国立科学研究所、原子力安全、放射性廃棄物及び放射生態学チェルノブイルセンター」に改めた。職員は約100名である。
 一方では、ウクライナは諸外国との協力を積極的に進める窓口の役割を果たす「国際チェルノブイルセンター(ICC)」を提案し、1996年に開設した。このICCには、ウクライナ、米国、イギリス、日本、フランス及びドイツが参加している。ICCは2005年までに7回の国際会議「International Cooperation for Chernobyl」を開催し、協力の成果を公表している。
<更新年月>
2009年01月   

<本文>
1.チェルノブルセンター(CC)と国際チェルノブイルセンター(ICC)
 ソビエト連邦は、1986年のチェルノブイリ発電所事故の収拾に当った。しかし1991年のソビエト連邦の崩壊と引き続く連邦諸国の独立により、チェルノブイリ事故の収拾はウクライナ等の個々の独立国の課題となった。一方、事故の国際的な影響は大きく、事故の収拾と関連の研究開発は国際社会の課題でもあった。
1.1 チェルノブイルセンター(CC)
 1996年、ウクライナ政府は、事故の影響、原子力安全、放射能の安全、施設の解体等の研究開発を進めるチェルノブイルセンター(CC)をキエフに設置し、政府直轄にした。
 1998年、米国との協力で国際放射生態学研究所(IRL)をCCに設立した。
 2000年、プロジェクトモニタリングセンター(PMC)をCCに設立した。そして、
 2002年、CCの本部は、2000年の原子炉の運転終了による失業対策と廃炉対策の観点から、キエフからスラブチッチに移った。
 2007年、チェルノブイルセンター(CC)は緊急対策省の傘下に移った。
 2008年、名称を「国立科学研究所、原子力安全、放射性廃棄物、放射生態学チェルノブイルセンター(CC)」“State Scientific and Research Institution “Chornobyl Center for Nuclear Safety, Radioactive Waste and Radioecology”に改めた。CCは国際チェルノブイルセンター(ICC)でウクライナの代表権を持っている。職員数は約100名。図1に組織を示す。
1.2 国際チェルノブイルセンター(ICC)
 1996年、ウクライナ政府から、事故の再発を防ぎ事故の影響を低減する効果的な技術の開発研究を集中的に進める提案があった。同年、米国は提案に応じ国際チェルノブイルセンター(CC)が設立された。(表1
 1997年にイギリス、1999年に日本、2000年にフランスとドイツが参加した。
 1997年から2005年までに7回の国際会議「International Cooperation for Chornobyl」が開催され成果が報告された。
 図2に、チェルノブイルセンター(CC)と国際チェルノブイルセンター(ICC)の関連を模式的に示す。両者は、参加国が提案する個別の研究契約(プロジェクト)により連携を保っている。
2.研究開発
 チェルノブイルセンター(CC)の研究開発は、多くが国内及び国際チェルノブイルセンター参加国との契約研究(プロジェクト)である。研究開発は6分野に分けられる。これまで70のプロジェクトがあった。
(1)原子力と放射線の安全関連
施設の安全性、放射線のリスク評価、施設事故のモデル化、廃炉技術、廃棄物対策等。2008年には15プロジェクトがある。
(2)保安関連
施設、核物質放射性物質の物理的防護。2008年には3プロジェクト。
(3)生物・生態学関連
チェルノブイリ立入禁止区域の生物・生態学研究。2008年には10プロジェクト。
(4)情報技術関連
データベースの開発と維持。2008年は2プロジェクト。
(5)プロジェクト管理関連
管理システム、通信管理システムと関連データベースの構築。2008年2プロジェクト。
(6)社会と情報関連
社会への情報の発信、技術移転など。2008年は8プロジェクト。
3.日本と国際チェルノブイルセンター
 日本は、チェルノブイリ原子力発電所の諸問題を科学的、技術的に支援し、1998〜2002年にかけて13,350万円相当の1)環境影響/健康影響挙動研究、2)施設/環境復旧対策研究、3)事故施設安全性基礎研究などのプロジェクトがあった(2003年)。2008年の日本の参加機関は(財)原子力安全研究協会である。
(前回更新:2002年2月)
<図/表>
表1 国際チェルノブイルセンター(ICC)参加国と参加機関(2008)
図1 チェルノブイルセンター(CC)の組織図
図2 チェルノブイルセンター(CC)と国際チェルノブイルセンター(ICC)

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<関連タイトル>
チェルノブイリ原子力発電所事故の概要 (02-07-04-11)
チェルノブイル原子力発電所事故による放射能の影響 (02-07-04-14)
旧ソ連原子力発電所事故による発電所従事者、消防士等の被曝 (02-07-04-15)
チェルノブイリをめぐる放射線影響問題 (09-01-04-10)
旧ソ連チェルノブイルから10年−放射線影響と健康障害−(OECD/NEA報告書) (09-03-01-07)
国際チェルノブイルプロジェクト (13-01-01-07)

<参考文献>
(1)在ウクライナ日本大使館ホームページ:
(2)外務省、日・ウクライナ科学技術協力の概要:
(3)チェルノブイルセンター(CC)ホームページ:http://www.chornobyl.net/en/
(4)国際チェルノブイルセンター(ICC)ホームページ:
(5)文部科学省資料、文部科学省における国際協力について(平成15年):http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/kokusaikan/siryo/kokusai02/siryo3_1.pdf
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