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<概要>
 平成3年度に発生した放射性同位元素等取扱事業所に係る事故は、紛失3件であった。なお、いづれの事故についても周辺公衆への影響はなかった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
  平成3年度における放射性同位元素等に係る事故は、紛失3件であった。また、周辺公衆への影響はなかった。
(1)平成3年度(1991年度)における放射性同位元素等に係る事故は、東京都の財団法人東京都精神医学総合研究所及び学校法人星薬科大学におけるガスクロマトグラフの所在不明並びに広島県の広島化成株式会社第三工場における厚さ計用密封線源の所在不明の計3件であった。これらについては、再発防止のための指導等、所要の措置を講じた。

放射線障害防止法令に基づき科学技術庁(現文部科学省)に報告のあった
放射性同位元素取扱施設の事故・故障(平成3年度)
発生年月態様事業所名概 要
3.10.25(判明)紛失(財)東京都精神医学総合研究所1991年10月25日、ガスクロマトグラフ用ECD収納ケース(63Ni 密封線源370MBq)を廃棄するため販売業者に送ったところ、届いたものがECD収納ケースではないとの連絡があり、所在不明が判明した。当研究所では、1980年にガスクロマトグラフの使用を中止し、同収納ケースを本体から取り外した後、保管廃棄設備に保管していたものである。
3.12.20(判明)紛失(学)星薬科大学1991年12月20日、科学技術庁(現文部科学省)の立入検査の際、当大学側から、ガスクロマトグラフ用ECD収納ケース(63Ni 密封線源555MBq×2)の所在が不明であるとの陳述があり、調査し、報告するよう指示があった。調査の結果、1987年にガスクロマトグラフの使用を中止した際、同収納ケースを本体から取り外し、保管箱に保管していた。1989年10月、同収納ケースを廃棄するため販売業者に送ったところ、届いたものがECD収納ケースではないとの連絡があり、所在不明が判明した。
4.2.19(判明)紛失広島化成(株)第三工場当工場で、ビニールシートの厚さ測定のため厚さ計(204Tl 密封線源 0.74GBq+1.11GBq 装備) を使用していたが、1988年に廃止した際、線源が1個だけしかないものとして、1個だけ取り外して保管していた。1992年1月、保管していた線源を廃棄するため廃棄業者に送ったところ、当該業者から数が不足しているとの連絡があり、所在不明が判明した。

 〔注:ECD=エレクトロン・キャプチャ・ディテクタ〕

<関連タイトル>
放射性同位元素等取扱事業所における事故等の年度推移(1998年度まで) (03-05-04-01)
放射性同位元素 (08-01-03-03)
放射性同位元素等取扱施設からの放射線(能) (09-01-02-07)

<参考文献>
原子力安全委員会(編):「平成3年度の放射性同位元素取扱施設の事故・故障(放射線障害防止法に基づき報告があったもの)」、平成4年度版 原子力安全白書、77、323、(1992).
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