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平成17年度(2005年度、2005年4月〜2006年3月)のわが国(日本)の原子力発電所の設備利用率は、営業運転中の全原子力発電所(55基、総発電設備容量4,958.0万kW)平均で71.9%(2004年度68.9%)、また、時間稼働率は、平均で71.4%(2004年度68.4%)であった。
わが国の電気事業用の原子力発電所は、1966年に日本原子力発電(株)・東海発電所(GCR:16.6万kW)が初めて営業運転を開始して以来、1975年前後に初期トラブルや
応力腐食割れ(SCC:Stress-Corrosion Cracking)等のため、設備利用率は40〜50%程度と低迷したが、その後、設備の改善等を実施し、1983年度に時間稼働率および設備利用率ともに70%を超えて以来、10年以上にわたり70%台の高い比率で推移し、1995年度以降は80%を超える水準にあった。
しかしながら、2002年に明らかとなった原子力発電所の不正問題に起因する点検等のため、定期検査期間が長期化し、さらに計画通りの停止も加わり2002年度、2003年度の設備利用率は大幅に低下した。特に2003年度5月の月間設備利用率が43.7%と最低を記録した。しかし、検査終了とともに徐々に回復し、2005年1月には浜岡5号機(ABWR)の営業運転開始も加わり、また定期検査期間が長期化していたプラントが運転再開したことにより、2005年度の設備利用率(括弧内に「時間稼働率」を示す)は、2004年度の68.9%(67.2%)を上回る71.9%(71.4%)となり、3年振りに70%台迄回復した。
2005年度におけるわが国の原子力発電所の設備利用率および時間稼働率を
表1-1、
表1-2に示す。また、炉型別の設備利用率の総合平均を
表2に示す。
設備利用率および時間稼働率の定義は次のとおりである。
(1)設備利用率=(発電電力量/(認可出力×暦時間))×100(%)
(2)時間稼働率
・発電所の時間稼働率(上記の値はこの定義による)
時間稼働率=(発電時間/暦時間)×100(%)
・発電所別、電力会社別、合計の時間稼働率(出力按分をした平均時間稼働率)
平均時間稼働率=((認可出力×稼働時間)の合計/(認可出力×暦時間)の合計)×100(%)
<図/表>
<関連タイトル>
日本の原子力発電所の時間稼動率の推移(2010年度まで) (02-05-02-03)
日本の原子力発電所の設備利用率の推移(2010年度まで) (02-05-02-04)
平成17年度わが国の原子力発電所の時間稼働率および設備利用率 (12-01-01-27)
<参考文献>
(1)(独)原子力安全基盤機構:原子力施設運転管理年報 平成18年版(平成17年度実績)、p.27-p.51
(2)日本原子力産業会議:原子力産業新聞、2006年4月6日(第2326号)、p.4