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<概要>
 日本の原子力発電所について、1975年度から2010年度までの時間稼動率の年次推移を炉型別にまとめた。
<更新年月>
2011年11月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 日本の原子力発電所の1975年度から2010年度までの炉型別時間稼動率を表1に示す。また、炉型別の設備容量(認可出力)と時間稼動率の年次推移を図1に示す。
 1966年に商業用原子力発電所が運転を開始して以来、時間稼動率は、1975年前後に初期トラブルや応力腐食割れ等のために総合平均で約50%にまで低下した時期を除き、1983年度に各炉型とも70%台に到達、1995年度には総合平均で80%台を達成し、以後、2001年度まで80%台の高水準で推移した。しかし、2002年のBWR原子力発電所の不正問題に起因する点検等のため、定期検査期間が長期化し、2002年度、2003年度の時間稼動率は大幅に低下した。特に、BWRの時間稼動率は2003年度、40%以下まで低下し、総合平均でも60%以下になった。2004年度から2006年度の時間稼動率は定期検査が終了したプラントの運転再開により、総合平均で約70%前後まで回復した。2007年7月の新潟県中越沖地震による柏崎刈羽発電所の全基停止と、定期検査中による停止を含め計24基が停止し、2007年度と2008年度の平均時間稼動率は約60%まで低下した。その後、2009年度には柏崎刈羽発電所6号機・7号機の運転再開を含めて時間稼動率が徐々に持ち直し、65%まで回復した。2011年3月の東北地方太平洋沖地震による女川発電所(3基)、福島第一発電所(3基)、福島第二発電所(4基)及び東海第二発電所(1基)の停止と、定期検査中による停止を含め計30基が停止し、3月に限り平均時間稼動率は55.0%まで低下したものの、2010年度の平均時間稼動率は66.5%であった。
 わが国最初の電気事業用原子力発電所である日本原子力発電(株)東海発電所(GCR 1基、16.6万kW、1966年営業運転開始)は、1997年度末に運転を停止、現在、廃止措置中である。また、中部電力(株)の浜岡原子力1号機(54.0万kW;BWR)及び2号機(84.0万kW;BWR)は2009年1月に運転終了し、2009年度より廃止措置段階に入っている。
 なお、時間稼動率の定義は次のとおりである。
・ユニットの時間稼動率(%)=(発電時間/暦時間)×100
・平均時間稼動率(%)=(認可出力×発電時間の合計)/(認可出力×暦時間の合計)×100 (平均時間稼動率とは出力案分をしたものである)

<図/表>
表1 日本の原子力発電所の時間稼動率の推移
表1  日本の原子力発電所の時間稼動率の推移
図1 日本の原子力発電所の認可出力と時間稼動率の推移
図1  日本の原子力発電所の認可出力と時間稼動率の推移

<関連タイトル>
日本の原子力発電所の現状(2010年) (02-05-01-10)
日本の原子力発電所の分布地図(2010年) (02-05-01-11)

<参考文献>
(1)(独)原子力安全基盤機構 企画部 技術情報統括室(編):原子力施設運転管理年報 平成23年版(平成22年度実績)、平成23年10月
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