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<概要>
 昭和57年度においては、原子力発電所の時間稼働率は70.2%、設備利用率は67.6%であった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 昭和57年度においては、原子力発電所の時間稼働率は70.2%、設備利用率は67.6%であった( 表1 参照)。
 毎年 1回平均 3〜4 ヶ月にわたり定期検査を慎重に行っている我が国では、最大設備利用率が70% 前後になるという状況を考慮すると、昭和57年度の設備利用率67.6% は世界の主な軽水炉保有国の中でも極めて良好な成績を示しているといえる。
 このように設備利用率が着実に向上した要因としては、我が国独自に軽水炉技術の開発・改良が重ねられ、その技術の定着化が着実に図られてきたこととあわせ、
1.初期故障に係る原因究明を徹底し、所要の改善措置が講ぜられるとともに、さらに内外の事故例をはじめとする運転経験等に関する情報の収集及び分析結果の反映による事故の未然防止対策の徹底及び信頼性の向上が図られてきたこと。
2.定期検査及び改修工事の作業工程及び作業体制の改善により定期検査及び改修工事の効率的実施が図られてきたこと。
3.運転員及び保修員の訓練センター等における教育訓練の強化によりその資質の維持・向上が図られるとともに、運転責任者に対し資格認定制度が導入され、それが実際に昭和57年 6月より運用される等、運転体制の整備・充実が図られたこと。
4.品質保証体制の改善等、自主保安管理体制の充実強化が図られてきたが、昭和57年度より国においてその管理体制の状況等を適宜調査する総合保安管理調査を実施し、自主保安管理の一層の徹底が図られてきたこと。
5.米国スリーマイルアイランド原子力発電所事故以降、運転管理専門官の原子力発電所への常駐等による運転管理監督体制の充実を図ることにより事故・故障の未然防止及び事故・故障に対する対応の迅速化が図られてきたこと。
6.さらには長期サイクル運転の確立を目指し、一部プラントで長期連続運転が達成されたこと(東京電力(株)福島第二原子力発電所 1号機及び九州電力(株)玄海原子力発電所 1号機でそれぞれ400 日(試運転分を含む)及び367 日の連続運転が達成された)等を挙げることができる。
 昭和57年度における商業用原子力発電炉は24基、合計出力 1,717.7 万kWh、発電電力量は年間 1,014 億kWhを供給した。
 また時間稼動率については 表2 及び 表3 に示すように平均で70.2% あった。
<図/表>
表1 設備利用率
表1  設備利用率
表2 時間稼働率
表2  時間稼働率
表3 我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(昭和57年度)
表3  我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(昭和57年度)

<関連タイトル>
日本の原子力発電所の時間稼働率の推移(2004年度まで) (02-05-02-01)
日本の原子力発電所の設備利用率の推移(2004年度まで) (02-05-02-02)
昭和57年度原子力発電所の事故・故障 (12-01-02-04)

<参考文献>
(1)原子力委員会編(1983):我が国の原子力発電所の時間稼働率及び設備利用率(過去10年間)、昭和58年版原子力白書、248-251.
(2)(社)火力原子力発電技術協会(1983):原子力発電所の運転状況、昭和57年度原子力発電所運転管理年報、19-130.
(3)(社)火力原子力発電技術協会(1983):ユニット別設備利用率、ユニット別設備稼働率、昭和57年度原子力発電所転管理年報、68-112.
(4)科学技術庁原子力安全局編(1983):我が国の原子力発電の設備利用率、我が国の原子力発電の時間稼働率、原子力安全委員会月報.
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