<概要>
原子力施設の運転等に伴って発生する
放射性物質を含んだプロセス排ガスあるいは空気流を気体廃棄物と呼び、
エアロゾルも気体として扱っている。また通常では、そのガスあるいは空気流が環境に放出される箇所で「気体廃棄物」と呼ばれることが多い。気体廃棄物の管理の方式は含まれる
核種や量で異なるが、環境対策上重要なキセノン、クリプトン、ヨウ素、シュウ素などは、放出経路にフィルターを組み込んだ遅延放出回路を設定して、放射性物質の除去や
放射能の減衰処理を行った後に放出するなどの処置を施している。
<更新年月>
1998年03月 (本データは原則として更新対象外とします。)
<本文>
原子力施設の運転等に伴って発生する放射性物質を含んだプロセス排ガスあるいは空気流を気体廃棄物と呼び、ほかに放射性の固体または液体の微粒子を含んだエアロゾルも気体廃棄物として扱っている。また通常では、そのガスあるいは空気流が環境に放出される箇所で「気体廃棄物」と呼ばれることが多い。原子力施設において、気体廃棄物の管理の方式は含まれる核種や量で異なるが、環境対策上重要なキセノン、クリプトン、ヨウ素、シュウ素などは、放出経路にフィルターを組み込んだ遅延放出回路を設定して、放射性物質の除去や放射能の減衰処理を行った後に放出するなどの処置を施している。
(1)
原子力発電所から放出される気体廃棄物(
表1 )は、
BWRでは主に復水器空気抽出器排ガスであり(
図1 )、
PWRでは体積制御タンクのパージガスおよび各機器のベントガスである。その中に含まれる
放射性核種は、アルゴン、トリチウム、ヨウ素等であるが、我国における放出量は年間管理目標値よりも三桁以上低いレベルに保たれている。
(2)再処理施設から放出される気体廃棄物中の放射能の中で主なものには、
放射性希ガスや
トリチウムがあるが、チャーコール・フィルターによる回収処理等で放出量は年間管理目標値を下回っている。
(3)その他の施設から放出される気体廃棄物は施設の換気装置からのものであるが、その中に含まれる放射能は多種類に亘り、かつ、その放出に際しての形態も気体、エアロゾル、液体飛沫など色々な形に分布している。
(4)
放射性気体廃棄物の処理法一覧を
表2 に示す。
<図/表>
<関連タイトル>
放射性廃棄物 (09-01-02-01)
<参考文献>
(1)科学技術庁原子力局(監修):原子力ポケットブック 1997年版、日本原子力産業会議(1997年5月)
(2)資源エネルギー庁公益事業部原子力発電課(編):原子力発電便覧1997年版、1997年8月