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<概要>
 わが国は、ウラン資源に乏しいため、必要とするウランを海外諸国に依存せざるをえない。わが国の年間需要量は2005年の約11,100トンUから2010年には約14,300トンUに増加すると予測されている。
 2005年4月現在、わが国のウラン購入契約の状況は、長期契約、短期契約および製品輸入契約が約262,500トンU、ニジェールとカナダ、オーストラリアからの開発輸入分が約61,200トンUの合計約323,700トンUである。
<更新年月>
2006年07月   

<本文>
 わが国は、ウラン資源に乏しいため、必要とするウランを海外諸国に依存せざるをえない。わが国の年間需要量は2005年の約11,100トンUから2010年には約14,300トンUに増加すると予測されている。2010年における世界の需要量は約65,000〜72,000トンU程度と想定され、わが国はその約16〜18%を占めることになる。表1にわが国のウラン資源量を示す。平均品位U3O8−0.054%の場合で約6,500トンU、0.111%の場合約2,400トンUと極めて少ない。すべて輸入により賄われている。
 2005年4月現在、わが国のウラン購入契約の状況は、長期契約、短期契約および製品輸入契約が約262,500トンU、ニジェールとカナダ、オーストラリアからの開発輸入分が約39,000トンUの合計約323,700トンUである(表2参照)。
 一方、わが国の民間企業は、カナダ、オーストラリアおよびニジェールでウラン鉱山の経営に参加し、日本へウランを供給している。カナダでは、海外ウラン資源開発(株)(OURD)が、1999年6月に生産を開始したマクリーン鉱山と、開発を目指しているミッドウエスト鉱山に参加、また、出光興産(株)と東京電力が、2006年以降の生産開始を予定している世界最大級のシガーレイク鉱山に参加している。オーストラリアでは、日豪ウラン資源開発(株)がERA社に参加している。ERA社は、レンジャー鉱山を操業しているほか、ジャビルカ鉱山の開発を進めている。ニジェールでは、OURDがアクータ鉱山を操業するコミナック社に参加している。図1にわが国のウラン資源開発活動の領域を示す。
 1998年2月に原子力委員会は、自主的な探鉱活動は必要な助成のもとで民間に委ね、核燃料サイクル開発機構(JNC(現日本原子力研究開発機構))の探鉱活動は、適当な過渡期間をおいて廃止することが適当であると判断した。2000年11月、JNCはカナダに保有する鉱業権益を日加ウラン(株)に移転した。それら以外の鉱業権益については、2002年9月までに処理が完了し、探鉱業務を終了した。
<図/表>
表1 わが国のウラン資源量(2000年4月現在)
表1  わが国のウラン資源量(2000年4月現在)
表2 わが国のウラン購入契約状況(2005年4月現在)
表2  わが国のウラン購入契約状況(2005年4月現在)
図1 わが国のウラン資源開発活動の領域
図1  わが国のウラン資源開発活動の領域

<関連タイトル>
ウラン生産国と資源状況 (04-02-01-06)
世界のウラン資源量と需給予測(レッドブック2003) (04-02-01-07)
日本のウラン必要量と必要量を確保する手段 (04-02-01-08)
世界のウラン製錬施設 (04-04-01-05)
わが国の発電用ウラン輸入量の将来予測 (04-06-01-02)

<参考文献>
(1)日本原子力産業会議(編):原子力ポケットブック2005年版、日本原子力産業会議(2004年7月15日)、pp.186
(2)日本原子力産業会議(編集・発行):原子力年鑑2004年版(2003年11月10日)、pp.123,124
(3)原子力委員会:核燃料サイクル開発機構の海外ウラン探鉱に係る権益等の取扱いについて(2002年8月)
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