<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> 総合エネルギー政策
<タイトル>
エネルギー予算の概要 (01-09-09-01)

<概要>
 日本のエネルギー予算は、一般会計と区分して経理する「石炭並びに石油及びエネルギー需要構造高度化対策特別会計(石特会計)」と「電源開発促進対策特別会計(電源特会)」の二つの特別会計、および一般会計の「エネルギー対策費(石特会計繰り入れ分除き)」を合わせたものを指す。石特会計は、原油等の関税と一般会計から繰り入れられる石油税を財源とし、石炭・石油対策とエネルギー需要構造高度化対策のために使われている。電源特会は電源開発促進税を財源とし、石油代替電源開発の推進と電源立地の円滑化対策に使われている。
<更新年月>
2004年02月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.特別会計と一般会計のエネルギー対策費
 エネルギー政策を推進するための国の予算は、エネルギー関係の特別会計と一般会計のエネルギー対策費を合わせたものを指す場合が多い。特別会計は、「石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石特会計)」と「電源開発促進対策特別会計(電源特会)」の二つからなり、それぞれがまた、二つの勘定にわかれている。すなわち、前者は「石油対策」と「エネルギー需給構造高度化対策」に、後者は「電源利用勘定」と「電源立地勘定」からなっている。図1に電源開発促進税に係る電源三法制度の関連図を示す。
 一般会計のエネルギー対策費のうち、かなりの部分は石油税を財源にしており、これが石特会計に繰り入れられる形になっている。したがって、純粋の一般会計分はこの繰り入れ分を除いたものになる。エネルギー予算の主たる財源はエネルギー税であり、大別すると、原重油等関税、石油税、電源開発促進税からなる。このうち、原油・石油製品の輸入の際に課せられる原油等関税の収入は1990年度から全額石炭勘定に直入されていたが、平成12年3月31日の法律の改正(法律16号)により、石炭勘定は政策的経費の計上を終了し、平成14年度から18年度では、借入金の償還のみを行う暫定勘定となっている。
また、石油税は、いったん一般会計に繰り入れられ、その後でエネルギー関係の予算として支出される。電源開発促進税は、一定の割合で、「電源利用勘定」と「電源立地勘定」へ振わけられている。前者は以前「電源多様化勘定」といっていたが、法改正(法律38号、平成15年10月1日施行)により名前を変えたものである。
2.年度予算の概要
 平成15年度エネルギー特別会計予算のうち、表1に石特会計の概要を、表2に電源特会の概要を示す。また、平成16年度石特会計を表3に、電源特会を表4に示す。
 これらの財源は、石特会計では原油等関税と石油税の収入が、電源特会では電源開発促進税の収入が充てられている。暫定「石炭勘定」の平成15年度予算額は239億円。「石油及びエネルギー需給構造高度化勘定」のうち、石油対策費は3903億円(対前年度伸び率=-4.4%)、エネルギー需給構造高度化対策費は2268億円(対前年度伸び率=7.3%)である。エネルギー需給構造高度化対策事業のうち、15年度の予算は石炭の環境負荷低減利用等を除いていずれも前年度を上回っている(表1)。電源特会の電源開発促進税は「電源立地勘定」と「電源多様化勘定」に分けられ、前者は2507億円(対前年度伸び率=2.5%)、後者は2,358億円(対前年度伸び率=-5.4%)である(表2)。
3.石油およびエネルギー需給構造高度化対策
 石油およびエネルギー需給構造高度化対策会計の予算は、文字通り「石油対策」と「エネルギー需給構造高度化対策」に当てられ、「石油対策」は、(a)産油・産ガス国際協力、(b)石油開発、(c)産業体制整備等及び(d)石油備蓄の4本柱からなる。このうち、石油開発については探鉱への投融資や石油開発技術の研究、国内の石油天然ガスの基礎調査などが主な内容となる。石油備蓄は、石油やLPGの国家備蓄増強が主軸となっている。産業体制整備等は、石油精製部門の合理化対策や石油流通産業の効率化の推進等が主目的となっている。
 次に「エネルギー需給構造高度化対策」であるが、(a)エネルギー起源CO2対策、(b)天然ガス利用の促進、(c)新エネルギー対策、(d)省エネルギー対策、(e)石炭の環境負荷低減利用等からなっている。このうち、省エネルギー対策費は省エネルギー導入事業者支援を主軸に、戦略的技術開発等に充てられる。新エネルギー対策費は、新エネルギー導入自治体・事業者等支援、燃料電池の技術開発、太陽光・太陽熱利用の導入促進、バイオマスエネルギーの技術開発等に当てられる。
4.電源立地勘定
 「電源立地勘定」は、(a)電源地域振興費、(b)理解増進活動の充実、(c)安全性実証、(d)環境保全対策、(e)緊急時対策を主要な柱としている。電源地域振興では、立地支援を原子力等の長期固定電源に重点化し、立地時点から運転段階までの二本柱へとシフトし、立地地域と発電施設とが長期間に亘って共生できる環境を整備するため、交付金の算定基準に発電電力量等を導入するとともに、長期固定電源を中心に、運転段階での地域支援を拡充する。また、使用済燃料の中間貯蔵等への取り組み支援策の充実を掲げている。
5.電源利用勘定
 「電源利用勘定」は、第二次石油ショックの影響などから電源の多様化が重要な政策課題となり、1980年度から新規の勘定として計上されるようになった。その目的は、電源の多様化に資する石油代替エネルギーの開発導入の推進であり、その柱は、(a)発電部門での効率向上、(b)送電・電力消費における効率化、(c)原子力・新エネルギー等の開発・利用の促進等から成っていた。しかし、最近のエネルギー・環境事情から、種種の支援策に重点がシフトされ、電源利用と名称を変えている。新エネルギーは、エネルギー安定供給の確保、地球環境問題への対応に資するエネルギーであるがコストや供給の安定性の面で制約があることから現在の導入量は一次エネルギー、供給の1%程度であるのが現状である。2010年度における新エネルギー導入目標(一次エネルギー供給の3%程度)を達成するため、バイオマス、太陽光発電等各新エネルギーの技術開発、導入支援および環境整備を積極的に推進する。さらに、民間企業において技術開発が活発化している燃料電池分野について3年以内の実用化及び中長期的な導入目標の実現を目指し燃料電池および水素エネルギー利用に関する実用化に向けた施策の強化・拡充を行うまた、我が国の安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を図っていく上で発電用途の新エネルギー対策の重要性が格段に増大してきている現状を踏まえ、発電用途の新エネルギー対策の一部を石特会計において実施する。
<図/表>
表1 平成15年度石油特別会計予算の概要
表2 平成15年度電源特別会計予算の概要
表3 平成16年度石油特別会計予算の概要
表4 平成16年度電源特別会計予算の概要
図1 電源三法制度

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<参考文献>
(1)資源エネルギー庁(編):エネルギー2004、エネルギーフォーラム(2004年1月)
(2)資源エネルギー庁:インフォメーション、平成15年度資源エネルギー関係予算の概要
(3)(財)日本原子力文化振興財団:「原子力・エネルギー」図面集2003-2004(2003年12月)、p.197
(4)電気事業連合会(編):「原子力」図面集 1997年版(1997年10月)、p.239
(5)資源エネルギー庁:インフォメーション、平成16年度資源エネルギー関係概算要求の概要
(6)資源エネルギー庁電源開発促進対策特別会計法施行令の一部を改正する政令について
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