先進諸国では社会経済活動に不可欠なエネルギー源である石油を国の政策として備蓄すること。1973年の第一次石油危機の後に先進諸国は国際エネルギー機関(IEA)を設立し、IEAの下で協調しつつ石油への過度の依存を緩和するとともに、緊急時に備えて石油の備蓄(90日分)を行うことに合意した。日本も直ちに国家備蓄を開始するとともに、1975年12月に制定した石油備蓄法に基づき民間備蓄を進めた。国の石油備蓄基地は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が管理しており、備蓄方式としては地上・地中タンク方式、洋上タンク方式、及び地下岩盤方式が採用されている。また、民間借上げタンクを利用した備蓄も行われている。日本の石油備蓄量は、国家備蓄5000万klの維持、民間備蓄70日分の義務付けを行っているが、現在、これを上回る備蓄量を保有しており、国内消費量の約半年分の規模が維持されている。