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<概要>
 国際原子力情報システム(INIS:International Nuclear Information System)は、国際原子力機関(IAEA)が132カ国、24機関の協力の下で運営する原子力科学技術に関する文献情報データベースである。INISには、原子力の平和利用に関する450万件を超える文献情報、約210万件の全文情報を収録している。全文情報にはIAEAの出版物、市販ルートでは流通しない貴重な技術レポートが含まれ、インターネットを通じて利用可能である。世界に200万人以上の利用者がおり、年間のページビューは400万件を超える。日本のINISナショナルセンターは国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)である。
<更新年月>
2023年8月

<本文>
1.INISのしくみ
(1)IAEAとINIS
 国際原子力機関(IAEA)は1957年に発足した。加盟国は2023年4月時点で177ヶ国である。IAEAの事業は、原子力平和利用の促進、原子力情報の交換、専門家の交流、保障措置、安全基準の策定である。事業は以下の6局が分担する:1)管理局、2)技術協力局、3)原子力エネルギー局、4)原子力安全・核セキュリティ局、5)原子力科学・応用局、及び6)保障措置局。
 原子力エネルギー局の計画、情報・知識マネジメント部には原子力情報課があり、原子力情報の交換と理解促進のためにINISを運営している。
(2)国際原子力情報システム(INIS)
 INISは、IAEAを中心に、原子力の平和利用に関する科学的及び技術的な情報の流通促進を目的として1970年に設立された文献情報システムである。INIS参加国は自国の原子力及び周辺分野に関する情報を提供することにより、世界中の原子力情報を利用可能としている。
 INISの情報は、表1に示すように、原子力技術、保障措置、核不拡散、環境、さらに健康まで多岐にわたる。INIS参加国はINISナショナルセンターを設け、自国の公刊された原子力文献情報を定められた主題で分類し、定められた構成に合わせ、IAEAの原子力情報課に提供する。原子力情報課は、これらの情報を整理・統合し、INIS参加国に提供する。各参加国はこの情報を自由に利用することができる。2019年にINIS参加国数は132、国際機関数は24になり、文献情報数は450万件を超える。図1は情報量の割合を示す。
 日本のINISナショナルセンターは、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)、JAEAイノベーションハブである。

2.INIS情報の特徴と入手方法
 INISは、知識と情報が将来に亘る財産であり原子力利用の根幹であるとの考え方から、以下のような特徴の情報を簡便に入手できるよう工夫している。
(1)情報の特徴
・一貫性、信頼性の高い情報を提供
・原子力の平和利用に関する情報を収録
・450万件を超える索引語(キーワード)と英文の抄録情報、世界に200万人以上の利用者
・85万件の入手困難な論文(NCL:Non—Conventional Literature)を収録
・ほかにIAEAの出版物、市販ルートでは流通しない貴重な技術レポートを収録
・これまで13,538誌の論文を収録、定常的に2,106誌を検索
・INISの登録索引語数は3万語(8言語)
(2)利用方法
 INISデータベース:インターネットを通じて利用可能(無料)
 https://inis.iaea.org/search
(3)連絡先
 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構JAEAイノベーションハブ
 〒319−1195 茨城県那珂郡東海村大字白方2番地4
 Tel:070-1538-6485 Fax:029−282−6718
 電子メールアドレス inismail@jaea.go.jp
 (前回更新:2008年12月)
<図/表>
表1 INISデータベースの分野分類
表1  INISデータベースの分野分類
図1 INISデータベースの分野別情報量(2022年)
図1  INISデータベースの分野別情報量(2022年)

<関連タイトル>
IAEAの情報交換と研究活動 (13-03-02-01)

<参考文献>
(1)IAEA、Nuclear Information and Knowledge,
(2)(独)日本原子力研究開発機構(JAEA)、研究技術情報部
(3)外務省、国際原子力機関(IAEA)の概要、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/atom/iaea/iaea_g.html
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