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<概要>
 平成元年度に発生した放射性同位元素等取扱事業所に係る事故は、紛失2件であった。なお、いずれの事故についても周辺公衆への影響はなかった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 平成元年度に発生した放射性同位元素等取扱事業所に係る事故(放射線障害防止法令に基づき科学技術庁(現文部科学省)に報告のあったもの)は紛失2件であった。また、周辺公衆への影響はなかった。

(1)益田赤十字病院で所持していたコバルト60密封小線源の使用を廃止し、(社)日本アイソトープ協会に引き渡そうとしたところ、同協会からコバルト60線源、370メガベクレル(10ミリキュリー)の管6本のうち2本及びコバルト60線源、185メガベクレル(5ミリキュリー)の玉10個のうち1個についていずれも放射能が全く検出されないこと、及びコバルト60管2本及びコバルト玉1個については、模擬線源であるとの連絡を受け、調査の結果、平成元年4月21日、正式に紛失が判明。当該線源は昭和30年代に子宮がん等の治療に使用されていたもの。

(2)広島県福山市の個人病院、平川病院の院長が死亡したことにともない、同市医師会が病院の整理のための作業をしていたところ、ラジウム226の収納線源1本(111MBq)が所在不明であることが平成元年11月18日判明した。
 紛失の時期については、昭和62年12月前後に故院長が線源を捜索していたとの証言があることからこの時期ではないかと推定される。
 また、病院内、病院の周辺及び線源の存在の可能性があると推定される福山市の埋立処理場のサーベイが行われたが発見には至らなかった。

<関連タイトル>
放射性同位元素等取扱事業所における事故等の年度推移(1998年度まで) (03-05-04-01)
放射性同位元素 (08-01-03-03)
放射性同位元素等取扱施設からの放射線(能) (09-01-02-07)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編):「平成元年度の放射性同位元素取扱施設の事故・故障(放射線障害防止法に基づき報告があったもの)」、平成2年度版 原子力安全白書、99-100、383、(1990).
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