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<概要>
 昭和60年度に発生した放射性同位元素等取扱事業所に係る事故は、紛失2件、その他1件であった。なお、いずれの事故についても周辺公衆への影響はなかった。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 昭和60年度に発生した放射性同位元素等取扱事業所に係る事故(放射線障害防止法令に基づき科学技術庁(現文部科学省)に報告のあったもの)は、紛失2件、その他1件で、その概要は次のとおりである。また、周辺公衆への影響はなかった。

(1)昭和60年5月26日、北海道大学医学部附属病院において治療終了に伴い、イリジウム192シードを封入したリボンを回収したところ、リボン1本〔イリジウム192シード1ミリキュリー(37MBq)×9個が封入されていた。〕が紛失していることが判明した。
 紛失したイリジウム192シードは、清掃工場及び焼却灰処理場で5月31日までにすべて発見された。

(2)昭和60年6月15日、東京慈恵医科大学附属病院において、同病院医師のフイルムバッチの異常の原因を調べていたところ、同医師の白衣胸ポケット内の手帳のビニールカバー内からイリジウム192シード1個が発見されたため、同病院の所有数の確認を行ったところビニールカバーから発見された1個を含めイリジウム192シード合計22個が紛失していたことが判明した。
 病院内の探索の結果、6月16日に病院内の焼却炉の灰の中からさらにイリジウム線源1個が発見された。

(3)昭和60年8月12日、日本航空123便が群馬県山中に墜落した。同機には、主として医療用に用いられるヨウ素131等合計約162ミリキュリー(6GBq)の放射性同位元素が積載されていた。探索及び回収作業の結果、積載されていた放射性同位元素の大部分が回収されており、現場のグラウントサーベイの結果も特段の問題はなかった。

<関連タイトル>
放射性同位元素等取扱事業所における事故等の年度推移(1998年度まで) (03-05-04-01)
放射性同位元素 (08-01-03-03)
放射性同位元素等取扱施設からの放射線(能) (09-01-02-07)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編):「昭和60年度の放射性同位元素取扱施設の事故・故障(放射線障害防止法に基づき報告があったもの)」、昭和61年度版 原子力安全白書、157-158、344、(1986)
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