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<概要>
 平成14年度(2002年度)のわが国の試験研究用原子炉および研究開発段階炉における放射線業務従事者線量について実績をまとめた。
 放射線業務従事者1人あたりの平均線量は、0.2ミリシーベルト(試験研究用原子炉0.1ミリシーベルト、研究開発段階炉(発電の用に供する)0.6ミリシーベルト)であり、放射線業務従事者の総線量は1419人・ミリシーベルト(試験研究用原子炉299人・ミリシーベルト、研究開発段階炉1120人・ミリシーベルト)であった。これらの数値はいずれも前年度を下回った。
<更新年月>
2005年02月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 「核原料物質核燃料物質および原子炉の規制に関する法律」(原子炉規制法)に基づき、試験研究用原子炉施設(試験研究用原子炉)および研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設(研究開発段階炉)の設置者から提出された平成14年度(2002年度)の「放射線管理等報告書」等から、放射線業務従事者の線量について実績をまとめた。
 平成15年(2003年)7月に原子力安全委員会に経済産業省原子力安全・保安院提出資料「平成14年度の原子力施設における放射性廃棄物の管理状況及び放射線従事者の線量管理状況について」および平成15年版「原子力安全白書」によれば、平成14年度の放射線業務従事者個人が受けた線量は、ここで対象とする、すべての原子力施設において法令に定める線量限度(5年間につき100ミリシーベルト及び1年間につき50ミリシーベルト)を下回っている。
1.試験研究用原子炉および研究開発段階炉(発電の用に供する炉を除く)
 平成13年度における放射線業務従事者数4745人に対して、14年度は4942人であり、総線量は前年度1073人ミリシーベルトに対して、299人ミリシーベルトであった。放射線業務従事者1人あたりの平均線量は、前々年度0.4ミリシーベルト、前年度0.2ミリシーベルトであったが、14年度はさらに減少して、0.1ミリシーベルトであった。核燃料サイクル開発機構、大洗工学センター(現日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター)における平均線量の低減が顕著である。
 表1は試験研究用原子炉及び研究開発段階炉(発電の用に供するものを除く)における放射線業務従事者の人数、総線量、平均線量の実績である。
2.研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設
 平成13年度における放射線業務従事者数2799人に対して、14年度は1999人であり、総線量は前年度1.96人シーベルトに対して、14年度は1.12人シーベルトであった。放射線業務従事者1人あたりの平均線量は前年度0.7ミリシーベルトに対して、14年度は0.6ミリシーベルトで、前年度に比較して漸減した。ふげん発電所に限ると、総線量は1.12人シーベルト、平均線量は1.1ミリシーベルトであった。
 表2は研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設における放射線業務従事者の人数、総線量、平均線量の実績である。
3.まとめ
 表3に上記の1.および2.に示したデータに基づき、放射線業務従事差は区分、放射線業務従事者(人)、総線量(人ミリシーベルト)および平均線量をまとめた。
<図/表>
表1 平成14年度放射線業務従事者の線量(試験研究用原子炉及び研究開発段階炉(発電の用に供するものを除く)
表1  平成14年度放射線業務従事者の線量(試験研究用原子炉及び研究開発段階炉(発電の用に供するものを除く)
表2 平成14年度研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設における放射線業務従事者の線量分布
表2  平成14年度研究開発段階にある発電の用に供する原子炉施設における放射線業務従事者の線量分布
表3 平成14年度放射線業務従事者の線量(試験研究用原子炉および研究開発段階炉)
表3  平成14年度放射線業務従事者の線量(試験研究用原子炉および研究開発段階炉)

<関連タイトル>
日本の試験研究炉等における放射線業務従事者被ばく管理状況の推移(2005年度まで) (03-04-07-01)
平成14年試験研究用原子炉および研究開発段階炉における事故・故障 (12-03-01-23)
放射線影響協会・放射線従事者中央登録センター (13-02-01-26)

<参考文献>
(1)原子力安全委員会(編)、原子力安全白書(平成15年版)、国立印刷局(2004年4月9日)
(2)第46回 原子力安全委員会定例会議配付資料「平成14年度の原子力施設における放射性廃棄物の管理状況及び放射線従事者の線量管理状況について」
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