<本文>
昭和63年度の原子力発電所における従事者の個人被曝実績は、いずれの発電所においても法令「
核原料物質、核燃料物質及び
原子炉の規制に関する法律」に定める
許容被曝線量(3レム/3月、5レム/年)を下回っている(
表1-1 および
表1-2 )。
なお、昭和63年度の原子力発電所における従事者の総被曝線量は 9,276人・レムと、前年度を 206人・レム下回った。また、従事者一人当たりの平均被曝線量は0.17レムと、前年度の0.17レムと同じ値になった。
従事者の被曝管理の状況をまとめると
1. 3レム/3ヶ月を超えた者はいない。(法令3レム/3ヶ月)
2. 年 5レムを越えた者はいない。
3. 総被曝線量は、約 9,300人・レム(前年度より約 200人・レム減少)
4. 従事者一人当たりの平均被曝線量は、0.17レム(前年度0.17レム)
となる(下表参照)。
従事者数(人) | 総被曝線量(人・レム) | 平均被曝線量(レム) |
54,287 | 9,276 | 0.17 |
(55,350) | (9,482) | (0.17) |
( )内は昭和62年度の値 |
主な低減対策としては
(1) 作業の自動化、遠隔化等
(2) 低コバルト材、耐食性鋼の採用
(3) 製造技術の向上に伴う溶接線の削減
(4) 本設しゃへいの設置
等が挙げられる。
資源エネルギー庁としては、原子力発電所での従事者の被曝管理については、その重要性に鑑み、今後とも作業の自動化・遠隔化等による軽水炉技術高度化の推進により、被曝線量の一層の低減化を進めるとともに、
放射線管理の徹底により、被曝低減をより一層図るよう電気事業者を指導していくこととしている。
<図/表>
<関連タイトル>
昭和56年度原子力発電所における従事者被ばく状況 (12-01-04-02)
昭和63年度試験研究用原子炉における従事者被ばく状況 (12-03-03-10)
放射線影響協会・放射線従事者中央登録センター (13-02-01-26)
<参考文献>
(1) 原子力安全委員会編(平成2年):実用発電用原子炉施設における従事者被ばく管理状況、平成元年版原子力安全白書、338-352.
(2) 科学技術庁原子力安全局編(平成元年):昭和63年度実用発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び従事者被ばくの状況について、原子力安全委員会月報6号(第12巻 6号)、通巻 129号、12-14.