レム

レム れむ

 放射線の生物学的効果を考慮した場合の吸収線量を表す単位。CGS単位の一種で現在は用いられていない。X線を1ラド(rad;0.01ジュール/kg)吸収した時の線量が1レム(rem)である。同じ吸収線量でも放射線の種類とエネルギーにより生物に及ぼす影響に差があるため、X線を基準とした生物学的効果比(RBE)を掛け合わせて等価な線量が算定された。RBEの値としてはX線、γ線、β線は1、α線は20、中性子は5〜20としており、例えば、α線を1ラド吸収した時の線量は20レムとなる。その後、放射線防護の分野ではRBEに代わって線質係数QF(quality factor)を用いることとなり、さらにICRP1990年勧告ではQFを放射線荷重係数WR(radiation weighting factor)と改称した。また、吸収線量の単位をラドからSI単位系のグレイ(Gy:1ジュール/kg)に変更し、これにWRを掛け合わせた等価線量を1シーベルト(Sv)とした。上記の定義から1Sv=100remである。


<登録年月> 2012年07月

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