<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> 世界のエネルギー情勢
<小項目> 世界のエネルギー需給
<タイトル>
主要先進国のエネルギー需要の動向 (01-07-02-08)

<概要>
 今後のエネルギー需要を予測するのは、長期的な見通しはもちろん短期的な場合でも、さまざまな要因が複雑にからむので非常に難しく、世界の経済の景気動向により大きく変わってくる。また、アジアなど工業化を推進している国々の動向もエネルギー需要を左右しそうである。
<更新年月>
2004年01月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 主要国のエネルギー輸入依存度、石油輸入依存度および一次エネルギーの供給構成を図1に示す。
1.アメリカ
 アメリカはエネルギー資源に恵まれた国である。そのためエネルギー消費、生産ともに世界第一位にランクされ、2001年の消費量は世界全体の約25%にあたる約22億3700万トン(石油換算)、そのうち約74%を国内で生産している。1998年のエネルギー消費量は日本の4.3倍に相当している(表1表2)。
 豊富な資源量を背景に、アメリカは先進7カ国内ではカナダ、イギリスについでエネルギー自給率が高く、その値は約74%であり、石油の約42%が国産である(表2)。石油や天然ガスの国内大規模井の減少や開発コストの上昇から、徐々に輸入依存度は増加の方向にある。石油ではメキシコや中東諸国、天然ガスでは隣国のメキシコ、カナダが主たる輪入先となる。
 2001年のエネルギー源別消費構成は、石油40.0%、天然ガス24.8%、石炭24.8%、原子力8.2%、水力等が2.2%である。
 最終エネルギー需要の構成は、他の先進諸国に比べて、輪送用エネルギー消費の占める割合が大きい(表3)。この理由はもちろん産業構造も影響するが、その他にも国土の広さ、自動車社会などの要因が考えられる。1980年代後半からの傾向をみると、どの需要部門も上昇傾向を示しているが、なかでも輸送部門の伸びが堅調である。
2.イギリス
 イギリスは国内消費量に対して22.5%に相当するエネルギーを輸出している。北海原油と天然ガス、石炭、さらに原子力を保有しているためである。2001年のイギリスのエネルギー消費量は日本の約44%で石油換算約2億2400万トンである。現在でもイギリスは石油の純輸出国である。しかし、原油生産量のピークは1986年の日量254万バレルで、その後横ばい状態にある(251万バレル:1995年推定値)。石炭はかつてイギリスの主要産業であったが、国内炭は輪入炭に比べて割高であるため、需要が低迷して減産しており、石炭の一部は輪入炭で賄われている。2001年のエネルギー源別消費構成は、石油が34.0%、石炭18.0%、天然ガス38.3%、原子力9.1%で、残りの0.7%が水力等で賄われている(表1表2)。
 最終エネルギー需要の構成(1999年)は、産業部門のエネルギー消費量が少なく26.7%、。民生部門が大きく40.2%、運輸部門は33.1%である(表3)。1973年では産業部門の割合は46%、運輸部門のシェアは20%であった。運輸部門と民生部門がそれぞれ伸びている。
3.フランス
 フランスのエネルギー消費量は、2001年で石油換算約2億5600万トンであり、日本の半分程度である。一次エネルギーの約37%を原子力に依存している。国内には石炭が多少あるものの、それ以外にはない。フランスは第一次世界大戦の頃からエネルギー自立を国是としていた。特に、第一次石油危機以降、エネルギー安全保障の観点から、1)石油依存度の低下、2)自給率の向上をエネルギー政策の課題とした。1973年当時、石油への依存度は日本と同様に70%を超えており、エネルギー自給率は20%であった。2001年の石油依存度は37.4%にまで減少し、エネルギー自給率は約50.0%にまで上昇している。この結果、2001年のエネルギー源別消費構成は、石油37.4%、原子力37.0%、天然ガス14.3%、石炭4.3%、水力等7.1%である(表1表2)。1993年の原子力は総発電電力量の78.7%を占め、発電量の5%前後が近隣諸国に輸出されている。1973年当時の発電分野の原子力比率は、わずか8%程度でしかなかったが、1970年代後半から続々と建設された原子力発電所が運転を開始し、2000年にはその比率が75.8%にまで上昇している。今後も電源の4分の3が原子力によって賄われる計画である。
 最終エネルギー需要の部門別構成では、産業部門が大幅にシェアを低下し、民生部門と運輸部門は増加傾向にある。1999年の構成は、産業28.3%、民生40.3%、運輪31.4%となっている(表3)。
4.ドイツ
 ドイツのエネルギー消費量は、2001年で石油換算3億3500万トンであり、日本の2/3程度である。西ドイツと東ドイツの統合によって、エネルギー分野においても多くの問題を抱え込んだが、国内には豊富な石炭資源がある。
 両ドイツの統合は単にエネルギー消費の増大ではなく、経済活動の面でいろいろの問題を生じた。旧東ドイツの人間は旧西ドイツに流れ、旧東ドイツの製造業の生産活動は低迷しエネルギー消費も減少している。統合当時、西ドイツは石油を中心として(41%)、石炭27%、天然ガス17%、原子力14%とエネルギー源が適度に分散されていた。一方の東ドイツは70%以上を国内石炭(褐炭)に依存していたが、環境対策や省エネルギー対策がいちじるしく遅れていた。統合後のドイツ政府のエネルギー政策では、旧東ドイツ領内のエネルギー効率改善に焦点があてられている。
 統合以降のエネルギー需要の変動も東と西では大きく異なる。人間が旧西ドイツに流れ、旧東ドイツの産業活動が低迷状態であるため、1990年と1991年とで比較すると、旧西ドイツ領内のエネルギー消費量は前年比6%増加したのに対して、旧東ドイツ領内のそれは29%も減少している。
 統合後のドイツの2001年のエネルギー源別消費構成をみると、石油39.3%、石炭25.2%、天然ガス22.3%、原子力11.5%、水力等が1.7%である。天然ガスは2割強を自給できるが、石油はほとんど輸入である。しかし、石炭がほぼ自給水準であるため、これに原子力を加えると、一次エネルギーの国産エネルギー比率は39.4%(1999年)になる(表1表2)。
 消費構成は1999年で産業用30.0%、運輸用29.3%、民生用40.6%である(表3)。
<図/表>
表1 世界主要地域のエネルギー別消費量(2001年)
表2 主要先進国におけるエネルギーの供給構造比較(1999年)
表3 主要国におけるエネルギー別、用途別消費量(1999年)
図1 主要国の一次エネルギー供給構成(1999年)

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<関連タイトル>
石油危機と日本 (01-02-03-04)
日本の部門別エネルギー消費(民生部門および運輸部門) (01-02-03-07)

<参考文献>
(1)資源エネルギー庁石油部(監修):平成14年 石油資料、石油通信社(2002年10月)、p.102-106
(2)資源エネルギー庁長官官房企画調査課(監修):総合エネルギー統計 平成13年度版、通商産業研究社(2002年7月)、p.419
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