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<概要>
 東京電力に続いて2月関西電力も、高浜3号、4号機のプルサーマル計画の事前了解願を福井県知事に提出した。11月には福島県知事が東京電力の事前了解願の受入れを表明した。一方、10月1日動燃事業団(現日本原子力研究開発機構)は、高速炉再処理高レベル放射性廃棄物処理処分の3テーマを事業の柱とする新法人「核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構)」としてスタートした。
 海外では、2月フランス政府は高速増殖炉実証炉スーパーフェニックスの閉鎖を決定した。6月英国ではMOX燃料 用のドーンレイ再処理工場の停止が発表された。欧州における高速増殖炉開発の停滞は否めない。5月インドの地下核兵器実験に続いてパキスタンが地下核兵器実験を行なった。
<更新年月>
2001年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>

1.内外の原子力関係の出来事
月日 国内 国外
1998年
(平成10年)
1/29   OEOD/NEA、加盟国に原子力発電の継続促す報告書
2/2   仏政府、スーパーフェニックスの閉鎖費用を165億フランと試算
2/5 原電・東海第二発電所がISO環境規格の認証を取得  
2/23 関西電力、福井県などにプルサーマル事前了解願いを提出 シドクラフト社、スウェーデン政府のバーセベック1号機認可取り消し決定で訴訟
2/26 科技庁が北海道に、幌延町の貯蔵工学センター計画取り止めと深地層研究施設建設を申し入れ  
3/4 原子力委ITER懇談会、日本が設置国になる意義が大きいとする中間取りまとめ  
3/20 原産、運転中の原子力発電所429基などとする世界の原子力発電動向を取りまとめ  
3/24 通産・科技庁・電気事業者から成る使用済み燃料貯蔵検討会、2010年までに施設の建設が必要とする報告書を策定  
3/25 動燃事業団、釜石鉱山での地層科学試験を終了 米、クリントン政権が電力市場再編計画を提案
3/31 国土庁、原子力災害を追加し防災業務計画を改定▼国内初の商業炉、原電・東海が営業運転を終了、廃止措置へ  
4/1 資源エネルギー庁が本年度電力供給計画を策定 英政府、オールドベリー原子力発電所の運転期間10年延長を許可
4/2 NHKが原子力・エネルギーをテーマにした「インターネット・フォーラム」を開設  
4/10 橋本首相、衆院科技委で新円卓会議の設置を要望  
4/16 稲川奏弘資源エネルギー庁長官が栗田幸雄福井県知事にプルサーマルについて協力を要請  
4/20 科技庁、動燃事業団アスファルト施設事故をレベル3と評価  
4/23 東京電力、プルサーマル説明会を福島で開催  
4/27   フィンランド電力、新規原子力立地に向け環境影響調査へ
4/28 原子力委、新円卓会議設置を盛り込んだ年度計画を策定▼通産省と科技庁がプルサーマル討論会を福島で開催  
4/29 COP3議定書署名  
5/8   IAEAが世界の稼働中原子力発電所は437基と発表
5/11   インド、24年ぶりに地下核実験
5/13 国会が改正動燃法を可決  
5/14   スウェーデン最高裁、バーセベック1号機閉鎖の一時延期を命令
5/19   英BE社、1997年決算で利益が3倍と発表
5/20   独原子炉安全相、使用済燃料の輸送を禁止
5/22 日弁連、プルトニウム利用放棄を求めた決議を採択  
5/26 原子力委高レベル懇談会が、処分候補地の選定は公募と申し入れとで考慮とするとした最終報告書を策定  
5/28   パキスタンが初の核実験
5/29 原子力委、パキスタンの核実験に対し声明を発表  
6/2   米上院で廃棄物法案が廃案に
6/4 原子力安全委が中部電力浜岡5号機増設の公開ヒアリングを開催▼電事需要部会が平成22年(2010年)までに原子力の電力量は4,800億kWh、シェア45%、設備容量6,600万kW~7,000万kWをめざすとする長期電力需給見通しを策定  
6/5   フィンランド世論調査で原子力支持派が39%に増加▼英BNFL、ドーンレイでの商業再処理停止を決定
6/9 国会が省庁改革基本法を可決  
6/10 放射線審議会、ICRP90年勧告の国内取り入れで部会報告を了承 仏議会科学技術評価委、MOX燃料の利用拡大を勧告
6/11 総合エネルギー調査会需給部会が平成22年度(2010年)に原油換算で4億キロリットルとする長期エネルギー見通しを策定▼総合エネルギー調査会・原子力部会、使用済燃料をリサイクル燃料資源と位置づける報告書を策定  
6/23   米DOE、サバンナリバーをMOX燃料製造サイトに選定
6/26   英BNFLが米WH社の原子力部門を買収へ
6/30 原子力安全委、安全白書を2年ぶりに刊行  
7/2   仏議会調査委、「スーパーフェニックスの閉鎖決定は撤回できず」と最終報告
7/14 原子力委、新円卓会議の設置を決定  
7/29 六ケ所再処理工場への試験用使用済燃料搬入に関する原燃、青森県、六ケ所村間の安全協定締結▼北海道電力が道などに泊発電所3号機増設を申し入れ  
7/30 小渕恵三内閣が発足、科技庁長官に竹山裕氏、通産大臣に与謝野薫氏  
8/3 10年振りの新立地となる東北電力の東通原子力発電所の安全審査が終了  
8/13 奥戸漁協、電源開発の大間原子力発電所計画を了承  
8/15 大間漁港、電源開発の大間原子力発電所計画を了承  
8/18 原子力委、権益売却を基本とする動燃事業団の海外ウラン炭鉱事業整理の方針を決定▼東京電力、福島県などにプルサーマル事前了解願いを提出  
8/21 電源開発、大間・奥戸漁協と協定を締結  
8/25   米原子力エネルギー協会、CO2削減で原子力の正当な評価訴える
8/27   フィンランド政府、オルキルオト原子力発電所の運転認可を20年延長
9/3   英BNFLの1997/1998年度決算、良好な実績
9/9   フィンランドの世論調査で5割が使用済燃料の地層処分に賛成
9/14   ブルガリア、コズロドイの旧型4基(VVER-440/V-230)を2012年までに閉鎖と発表
9/22 経団連、エネルギー情勢について、原子力は地球温暖化対策の柱とする報告書を公表  
9/27   独で反原子力政権発足へ
10/1 核燃料サイクル開発機構(旧動燃事業団)発足  
10/2 原燃、六ケ所再処理工場へ試験用使用済燃料を搬入  
10/6 通産省、前年度エネルギー需給実績を発表(過去最高の原子力供給量)▼使用済燃料輸送容器の遮蔽材データ改ざんが判明  
10/12 科技庁、使用済燃料容器調査委を設置  
10/16 原子力安全委、北陸電力・志賀2号機増設の公開ヒアリングを開催  
10/18 東京電力・福島第一3号機が定検による停止期間36日の最短記録を達成  
10/19 日ロFBR専門家初会合  
10/20   ベトナム原子力委、20年以内の原子力発電初号機導入を打ち出す
11/2 福島県が東京電力のプルサーマル事前了解願い受入れを表明  
11/10 原研HTTR(高温工学試験研究炉)が初臨界を達成  
11/11 通産省が中国電力・島根3号機増設で公開ヒアリングを開催▼福井県が若狭湾エネルギー研究センターを開設 英BE社、上半期決算で利益が11倍に拡大
11/26   独の検査機関がクリュンメル原子力発電所と白血病との関連を否定
12/14 原子力安全委、クリアランスレベルで具体的数値を明示  

2.社会一般の出来事
月日 国内 国外
1998年
(平成10年)
2/28   金大中韓国大統領が就任
3/10 青森県知事木村守男、フランスから返還された高レベル放射性廃棄物の輸送船からの陸揚げを許可  
4/5 本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋が開通し、本州四国連絡道路神戸ー門ルートが全線開通  
5/3 99年1月から通貨統合を独仏伊など11か国で開始することを決定  
5/11   インド、24年ぶりに地下核実験を連続3回実施
5/28   パキスタン、5回に亙る初の地下核実験を強行
7/25 カレーに毒物混入、4人死亡  
7/30 小渕内閣が発足  
8/31   北朝鮮、弾道ミサイルを発射し、三陸沖の公海に着弾したと日本政府発表
11/2 東京電力が福島第一原発3号機で実施を予定しているプルサーマル計画について、福島県知事佐藤栄佐久は、事前了解願いに同意  
11/9 「毒入りカレー事件」で、林真須美被告を起訴。被告宅にある砒素化合物の亜砒酸とカレー鍋に混入した亜砒酸は同一のものとの鑑定結果を発表  

<関連タイトル>
高速増殖炉スーパーフェニックスの即時閉鎖(1998年12月30日) (14-05-02-12)

<参考文献>
(1) 日本原子力産業会議(編集発行):原子力のあゆみ 原子力年鑑 2000/2001年版 別冊(2000年10月)
(2) 日本原子力産業会議(編集発行): 原子力年鑑 1999/2000年版(1999年10月)
(3) 読売新聞社(編集発行):読売年鑑 1999年版
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