混合酸化物燃料(Mixed−Oxide)の略である。プルトニウムを有効に使うため、再処理で回収された酸化プルトニウムと天然ウランまたは同じく再処理で回収された減損酸化ウランと混ぜて作った燃料で、ウラン・プルトニウム混合燃料ともいう。日本では、動力炉・核燃料開発事業団(現在、核燃料サイクル開発機構)で開発され、新型転換炉原子炉『ふげん』、高速増殖炉実験炉『常陽』に供給され、将来の新型転換炉、高速増殖炉用燃料として、実証試験に供されていた。天然ウランの有効利用のためには、原子炉の運転にともない副生し、再処理により回収されたプルトニウムを高速増殖炉で使うほうが望ましいが、その実用化が2030年以降になる見通しであるため、その間プルトニウムの有効利用を図るため、軽水炉でMOX燃料を使う計画が進められている。これを、プルサーマル計画という。