高速炉

高速炉 こうそくろ

 fast reactor. 高速炉は高速中性子炉の略語であり、核分裂連鎖反応が高エネルギーの中性子(高速中性子)によって維持される原子炉をいう。核分裂によって発生した中性子は最大期待値で約1MeV、平均値で約2MeVと非常に高速である。これらの中性子は燃料内、冷却材、構造材等の原子核との散乱で減速するが、高速炉では燃料増殖の可能性を追求するため、減速を極力回避し、炉内の中性子速度分布を高い状態に維持する。この条件下では燃料の核分裂断面積が小さく臨界を維持することが難しいため、燃料中の核分裂性物質の割合を高めるとともに、燃料集合体の中の燃料密度を高めた燃料を用いて高出力密度の炉心を構築する。炉内の中性子減速を回避しながら、こうした高出力密度の炉心から熱を効率的に取り出すために、原子番号が大きく、また、熱伝導度の高いナトリウムなどの液体金属を冷却材に使用することが多い。なお、高速炉では239Puが主要な核分裂性物質であり、また、239Puは特に中性子エネルギーの高い領域において、中性子1個を吸収したときの中性子放出数が多く、燃料増殖をしやすい特性がある。


<登録年月>
2010年09月




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