<大項目> エネルギーと地球環境
<中項目> エネルギー政策
<小項目> エネルギー政策の基本
<タイトル>
産油国との関係強化 (01-09-01-03)

<概要>
 わが国のエネルギー供給の対外依存度は82%、石油の輸入依存度については99%を超えており、極めて脆弱である。エネルギー源としての石油の利便性から、今後途上国等における需要も高まる。石油資源の利用の高度化を図り、石油依存度を低減する努力は必要であるが、21世紀初頭においても、輸送用燃料や石油化学用原料等は石油に頼らざるを得ない。一方、供給は少数特定国に集中するという構造的脆弱性を緩和するため、今後も産油国との関係強化が必要である。
<更新年月>
2005年08月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 世界経済において米国に次ぎ第2位の地位を占めるわが国は、エネルギー輸入においても米国に次いで世界2位である。一方、わが国は国内に資源をほとんど有せず、一次エネルギー供給総量の対外依存度は81%である。一次エネルギー供給の49%を占める石油については、ほとんどの99.7%以上を輸入に頼り、なかでも輸入原油の中東依存度は86%で、主要先進国中で最も高い(表1)。
 中長期的に見た場合、十分な供給余力を有する国は中東湾岸諸国であり、それ以外の地域においては石油供給能力の大幅な拡大は困難であると見られている。したがって、アジア地域を中心とした途上国の石油需要が増加し続ける場合、中長期的には中東依存度の高まりが予測されており、今後これらの地域での十分な産油能力拡大が行われることが重要である(図1)。
 したがってわが国としては、産油国との関係において、長期的な安定供給確保のための関係の強化に努めなければならない。
 政府においては、世界の石油需給の安定が産油国、消費国双方の利益になるとの共通認識の形成に努めるとともに、民間レベルでの関係強化のための環境整備の一環として相互理解を深めるとの観点から、石油市場の中長期的な情勢、石油政策等について、政府レベルでの意見交換を行い、必要に応じて民間活動の支援、政府間での協力を行うことが重要である。
 長期的観点から関係強化を行う一環として、例えば中下流部門における共同事業を通じた関係の一層の強化の可能性を探る。また、石油開発面におけるわが国の一層の努力を通じて産油国との協力を推進することが必要とされる。
 2003年10月に策定されたエネルギー基本計画では、供給源の分散化、中東域内での調達先の多角化、直接投資等幅広い協力を通じた主要産油国との関係深化も含めた取組を着実に進めることにより、総合的な資源戦略を推進していくこととしている。(1)開発企業による自立的な事業の展開、(2)政府による積極的な資源外交、(3)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による戦略的な支援が三位一体となって機能することが必要である。戦略的に重要なプロジェクトとして、イランのアザデガン油田、カスピ海のカシャガン油田、サハリンプロジェクト、太平洋パイプラインプロジェクト等がある。
<図/表>
表1 主要国におけるエネルギー供給構造(2002年)
図1 世界各地域における石油需要の伸び(2002→2030年)

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<参考文献>
(1)資源エネルギー庁(監修):1997/1998資源エネルギー年鑑、通産資料調査会(1997年2月)、p.46-64、p.202-210
(2)資源エネルギー庁(編):エネルギー2000、(株)電力新報社(1999年10月)、p.22-30、p.194-208、p.213
(3)電気事業連合会(編集発行):「原子力」図面集1999年版(1999年10月)、p.14-18、p.21-25
(4)舛添 要一:完全国解 日本のエネルギー危機、東洋経済新報社(1999年12月)、p.14-34
(5)宮崎 勇、田谷 禎三:世界経済国説、(株)岩波書店(2000年2月)、p.30-31、p.122-140
(6) 資源エネルギー庁:エネルギー白書 平成16年度エネルギーに関する年次報告
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