dose. 放射線防護を目的とし、放射線の種類、被ばくの態様に共通の尺度で被ばくの影響を評価するための単位である。人間に対する放射線の影響は、吸収線量が等しくても放射線の種類、エネルギー及び被ばく条件によって異なる。放射線防護の目的で、被ばくの影響を総ての放射線に対して、内部、外部被ばくに関係なく、共通の尺度で評価するためにこの単位が作られた。当初は線量当量と呼称されていたが、平成12年に国際放射線防護委員会(ICRP Pub.60)勧告の取り入れにより、「線量」に改正された。
線量H(Sv)は、吸収線量をD(Gy)、線質係数をQ、分布その他の修正係数をNとすると、H=D・Q・Nで表される。Nは、外部被ばくに対しては1である。内部被ばくの場合のDが核種摂取後一定期間に受ける線量であって、一定期間を放射線作業従事者が50年、一般公衆が70年とする場合のHは預託線量という。