PAZ(Precautionary Action Zone:予防的防護措置を準備する区域)。実用発電用原子炉の施設において異常事象が発生した際、EAL(緊急時活動レベル)に基づいて、放射性物質放出の有無にかかわらず屋内退避、避難などの予防的防護措置が迅速に行えるように準備する区域を言う。原子力施設の異常事象による放射性物質の放出の時期や、放出後の放射性物質の分布状況を正確に予測することは非常に困難である。そこで、緊急時に住民の防護活動を迅速かつ適切に対応するため、予め緊急時に備えた準備や緊急時計画を策定しておくために設ける区域(原子力災害対策重点区域)を各原子力施設の種類に応じ、施設からのめやすの距離として示されている。実用発電用原子炉の場合は、PAZとUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)の2種類を定め、PAZは、施設から概ね半径5kmの区域としている。