腸の絨毛(じゅうもう)の基底にあって絨毛の上皮細胞をつくる細胞。絨毛は小腸の粘膜上に密集して存在し、絨毛を通して栄養などを吸収している。絨毛の上皮細胞は腺窩(せんか、クリプト)で幹細胞から作られ、らせん状に絨毛壁に沿って上部へ移行し、2〜3日後に先端で脱落して寿命を終える。腸が放射線を受けると、腺窩の幹細胞の細胞分裂が停止する。腺窩での増殖が停止しているにもかかわらず、脱落は継続して行われるので、絨毛の長さは短縮する。被ばく後2〜3日で絨毛上の機能細胞が減少したとき下痢が始まる。線量が高くなると消化管中のリンパ濾胞(ろほう)が穿孔し下血がみられる。