悪性の骨組織形成をともなう肉腫をいう(肉腫とは悪性の腫瘍で、その細胞が上皮性でないものをいう)。不完全な骨組織は、はじめ骨髄、外骨膜などから生成し、円形、ぼうすい形など、いろいろの形の肉腫になる。放射線誘発骨肉腫は治療線量を受けたときに発生することがあり、成人の骨では30Gy以上、甲状腺肥大の治療のため照射を受けた子供では、10Gy以下でも発生が認められた。平均潜伏期は11年程度と推定されている。ラジウム・メソトリウム中毒で1928年までに死亡した米国ニュージャージー州の時計文字盤工15人のうち2人が骨肉腫に罹っていたのが放射線誘発骨肉腫が認められた初めであった。