high burnup fuel. 主に軽水炉燃料のなかで燃焼度(単位重量当たりの発生エネルギー量)が高いものをいう。発電用軽水炉が商用化された初期の頃には燃料の健全性の維持、その他の観点から概ね20〜30GWd/t程度の燃焼度であった。その後、軽水炉発電の規模拡大に伴い、発電量当たりの燃料製造コストの低減等を目指して、燃焼度を30〜40GWd/tへと徐々に上昇させた。さらに、原子力発電の経済性向上、軽水炉使用済燃料発生量の低減等を図るために、最近では最高燃焼度を50〜60GWd/tまで高めた集合体が製造されるようになった。現在、高燃焼度燃料とは一般に最高燃焼度が50〜60GWd/t程度、またはそれ以上の燃料を指すことが多い。なお、燃料の炉内滞在期間を長くし燃焼度を高めた場合には、FPガス放出量の増加、ペレットスエリングの増加、被覆管外表面の酸化腐食、クラッド付着の増加、中性子照射量の増加に伴う被覆管性能の低下等の影響があり、こうした課題を解決しながら燃料の高燃焼度化が進められている。