我が国の法令では、原子力施設の設計、建設、運転、維持管理については、国の行政庁が一元的に監督することとなっており、地方自治体は地域住民の安全に責任を持っているにも関わらず、原子力事業者に対して安全面で要求をする法的権限はない。このような状況に対して地元から議論が出され、現在、原子力安全に対する地方自治体の役割は、1.環境放射能の測定・評価、2.施設の新増設に対する判断、3.地元の立場で施設の安全確認、4.原子力防災計画策定と対策などについて原子力事業者に各種の要求をする権利を持つとして、地元の道府県、市町村、隣接市町村と原子力事業者との間に協定が結ばれている。これを原子力安全協定という。