ある集団内において、特定のリスク因子から最大の影響を受けると予想される小集団を指す。クリティカル集団とも呼ぶ。放射線防護の分野では、平常時、事故時ともに防護対策を立案・実行する際に、不特定の一般公衆を対象にすることは実際的でない。このため、最も放射線の影響を受けやすい個人からなる決定集団を選定する。選定に当たっては、生物学的観点からの特性、食習慣、職業、居住形式、行動習慣、趣味、その他の諸要因を考慮する。例えば、原子力施設からの放射能漏えいによる公衆被ばく事故の場合、施設近傍で生活する集団、特に放射線感受性の高い小児を決定集団とするのが適切である。他方、日常生活製品に含まれる放射能からの被ばくの場合には、すべての国民が決定集団となり得る。