空胞変性

空胞変性 くうほうへんせい

 細胞質(細胞内で核物質を取り囲む原形質)内で、少量の蛋白を含んだ球状空胞が見られる一種の細胞障害のこと。空胞は小胞体(真核細胞の細胞質中に普遍的に存在する細胞内膜系)や糸粒体が小胞状に腫大したもので、細胞の膜構造の障害によって生ずる。この場合には一般に、細胞自体も水腫性に肥大するので、水腫性変性ともいわれる。細胞が障害を受けたときに、比較的初期に見られる変化で、可逆的変化である。肝細胞、腎尿細管上皮細胞等によくみられる。放射線を受けた場合に、この種の細胞障害は、被曝後数時間で発生する。


<登録年月> 1998年02月

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