放射性物質の中にはガス状のものや揮発性のものがあり、また微粒子状のものが、空気中に拡散することもある。空気中にこれらの放射性物質が含まれることを空気汚染という。内部被曝の原因としては汚染空気の呼吸によるものが最も重要である。したがって原子力施設等で空気汚染のある作業環境では、防護マスクや防護服の着用が必要である。ICRP勧告によって、放射性核種ごとに年摂取限度が定められている。ある核種の均一な濃度の空気中で一年間作業を続けたと仮定すると、年摂取限度に対応する空気中濃度限度が算出できる。これは放射線防護関連の法令の告示としても記載されていて、作業環境の空気汚染管理基準として用いられる。