核分裂生成物のキセノンに起因する原子炉出力の空間的な振動をいう。核分裂生成物の中でも、キセノン135(135Xe)はとりわけ熱中性子の吸収が大きく、炉の安定運転にとって障害となる。大型の熱中性子炉では、運転中のキセノン135の生成が空間的に一様でなく、また、中性子吸収によるキセノンの濃度減少も一様でない。この不均一性が反応度の局所的な空間分布変動をもたらし、原子炉出力の空間的な振動を引き起こす。振動は中性子束レベルが高い状態で起きやすく、振動の周期は約15〜30時間である。発電炉等の大型実用炉では、炉心の設計上の配慮と制御棒のプログラミング制御でこの空間振動を抑制している。