希釈効果

希釈効果 きしゃくこうか

 水中の物質が放射線によって不活性化される(損傷を受ける)ときに、その水中濃度が低くなるほど、不活性化される物質の割合が増加する効果をいう。例えば、各種濃度の酵素溶液を一定線量の放射線で照射すると、不活性化される酵素の量は濃度が低下するにつれて、濃度に関係なくほぼ一定となる。放射線の直接作用のみの影響であれば、標的物質の濃度が下がれば不活性化する物質量も減るはずであり、このように濃度に関わらず一定となるのは、水の放射化学的変化によって生じる活性イオンやフリーラジカルによる間接作用の影響も受けていることを示している。これらの活性イオン等は一定の線量では同一量生じるため、その結果、一定量の物質が不活性化されるようになる。


<登録年月> 2012年05月

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