軽水炉燃料中に混合される酸化ガドリニウムの濃度。通常、重量パーセントで表示される。ガドリニウムの同位体155Gd、157Gdは熱中性子を吸収する能力がきわめて大きい。そこで、ガドリニアと呼ばれる酸化物Gd2O3の形態で一部の濃縮ウラン燃料中に混合して装荷燃料の初期段階における反応度を低下させ、燃料の燃焼に伴う原子炉内の反応度変化をより制御しやすくしている。燃料の燃焼とともにガドリニウム自身も中性子吸収で核種転換し減少していく(これも「燃焼」と呼び、ガドリニアを可燃性毒物という)ので、核分裂性物質の減少に伴う反応度低下を補うことができる。従来は燃料中に5%程度までの濃度で混合されていたが、燃料の高燃焼度化に伴って燃料の炉内滞在時間も長期化したため、10%程度の高濃度の燃料も作られるようになった。