定常状態にある原子炉が何らかの外乱を受けた場合に、炉心の中性子数に表れる過渡的現象をいう。原子炉が定常状態にあるときは、核分裂による生成、減速、熱中性子化、体系内での吸収、体系外への拡散漏洩などにより、炉心の中性子数は全体として生成数と消滅数が均衡し、実効増倍係数keffが1の状態にある。冷却水の温度変化や流量変動、制御棒挿入動作などの外乱によってkeffが1からずれた場合に、炉心の中性子数が示す過渡現象が炉心動特性であり、変化の速度と大きさは炉心のもつ固有の性質に依る。炉心動特性の解析は、原子炉制御系の設計に重要である。