励起 れいき
電離放射線が物質中で透過、散乱、吸収される過程で、その有するエネルギーの一部は物質を構成する原子の軌道電子に与えられ、電子が基底状態からエネルギーの高い状態に移る。このことを励起されるという。励起状態は一般に寿命が短く(10−8秒程度)、励起された原子は電磁波を放出しながら基底状態に戻る。もし、さらに十分なエネルギーを軌道電子に与えて、その電子を原子核の引力圏外まで出して原子が電子を失った状態が電離された状態である。この励起作用を利用した放射線検出器としてシンチレーションカウンターがある。