原子番号86、原子記号Rnの希ガス元素の一つで放射性である。質量数218、219、220、222の4種類の同位体が知られている。大地の中に存在するウラン系列のラジウム等がα崩壊するラドン(Rn−222)とトリウム系列に属する少量のトロン(Rn−220)が主で、その一部が地中から大気中に拡散する。これらがα崩壊して出来る娘核種が大気中の自然放射能の大部分である。ラドン及び娘核種による地上1mにおける線量率は通常0.001〜0.02Gy/h程度といわれる。ウラン鉱山などの従業員の被ばく、一般人についても空気中ラドンが被ばく源として注目されている。ICRPは家屋内のラドン濃度が200Bq/m3以下となるよう勧めている。国連ではラドンの呼吸による年間被ばく量を平均1.3mSvとしている。