ミューオン触媒核融合反応

ミューオン触媒核融合反応 みゅーおんしょくばいかくゆうごうはんのう

 低温で核融合反応を起こさせる方式の一つ。トリチウムと重水の混合ガスに加速器等で生成したミューオン(μ)を入射すると、トリチウム原子核t、重水素原子核d及びミューオンμから成るdtμ中間分子を形成し、核融合反応が起こる。これは、dt分子の周辺を回る電子がミューオンに置き換えられ核間距離がきわめて小さくなることによる。ミューオンは核融合反応を起こした後に自由になって次の反応に再利用されるので、触媒としての役割を果している。他方、反応後のミューオンの中には再利用されず、ヘリウム原子核による捕捉などにより失われるものもある。現状の技術ではミューオンの再利用率がまだ低く、核融合反応装置として入出力エネルギーが均衡するには至っていない。


<登録年月> 2012年05月

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