原子、分子または原子団を質量別に分離・検出し、定量する装置である。強い電場あるいは磁場の中で原子や分子のイオンの軌道変化が、質量や比電荷により異なる性質を利用している。一般的な磁場を用いた質量分析計は、試料をイオン化するイオン源、時間的に磁場の強さが変えられる電磁石、イオン検出部から構成されている。この装置により、水素と重水素、ウラン235(U-235)とウラン238(U-238)などの化学的に分離できない同位元素を分析、定量できる。真空を取り扱う装置でしばしば用いられる残留ガス分析計は、一種の質量分析計で真空中に残っている水素、窒素、酸素、アルゴンなどの割合やその量を定量できる。