原子炉が高出力になると、燃料やその他構造材の温度、原子炉冷却材の流動、温度の変化や原子炉冷却材の沸騰による気泡などの効果により反応度が変化する。その結果反応度が変わると出力が変わり、出力が変わると温度、密度などが変化して、それらが再び反応度に効くという相互に物理量が相関関係を示す。これを反応度フィードバック現象という。原子炉がある定常状態にある時、僅かな変動に対しては物理量の変動は線形となり、変動の結果は伝達関数の手法で解ける。例えば中性子束を入力信号、反応度を出力信号とするフィードバック現象とゼロ伝達関数は、閉ループを形成する。しかし、原子炉起動とか事故時のように変動の大きい過渡特性の場合には非線形となり、解法は複雑となる。