クーリッジ管とも呼ばれている。電子線を高電圧で加速し、陰極に衝突させてX線を発生する真空管のこと。熱陰極から出た電子線は、円筒で集束されて陽極面に焦点を結び、X線を発生させる。X線を取り出す窓にはBe板などがよく使われいる。陽極物質としては、W(連続X線でよい場合)や、Fe、Cu、Mo、Ag(固有X線を得たい場合)が多く用いられる。加速電圧は普通30〜100kVの範囲であるが、透過能の大きいX線を得たいときは、もっと高い電圧が使われる。X線の発生効率は1%以下で損失熱が大きいため、陽極は冷却される。回転対陰極を用いる管球や、特殊目的のための微小焦点X線管、発散X線管などもある。