熱中性子炉

熱中性子炉 ねつちゅうせいしろ

 thermal reactor. 主として熱中性子による核分裂連鎖反応で臨界状態を維持する原子炉。核分裂で発生した中性子は高エネルギーであり、平均秒速2万kmの速度を持つため、高速中性子と呼ばれる。低濃縮ウランを燃料とする場合に高速中性子では核分裂連鎖反応の持続が難しいため、水や黒鉛などの減速材を用いて平均秒速2.2km程度まで減速し、235Uの核分裂を起こしやすくする。この速度の中性子は周囲の物質と熱的平衡状態にあるので熱中性子と呼ばれる。現在、発電、熱供給、動力供給等の目的で実用化されている原子炉はほとんど熱中性子炉である。他方、核分裂で生まれた高速中性子をあまり減速させないで利用する原子炉を高速炉又は高速中性子炉と呼ぶ。高速炉で核分裂連鎖反応を持続させるためには減速能力の小さい冷却材を使用するとともに、燃料中の核分裂性物質の割合を高め、また、燃料集合体の中の燃料密度を高めた燃料を用いて高出力密度の炉心を構築する必要がある。


<登録年月>
2010年11月




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