原子炉の起動、停止や異常な過渡変化または事故時には、機器配管には温度変化に対応した熱応力が掛かる。これを熱過渡応力という。高速炉の場合には、炉心の入口・出口の温度差は約150度に及び、運転温度も約500度と高くクリープ域の約400度を超え、また原子炉冷却材には熱伝導の良くかつ比熱の小さな液体金属ナトリウムを使用しているので、軽水炉に比べて厳しい熱過渡応力が掛かる。この対策として、原子炉容器や配管は薄肉構造で炉容器内側には熱応力を緩和するためにライナー構造を設けたりする。高温構造設計は高速炉開発の一つの要となっている。