Down syndrome. 染色体異常によって発生する先天性疾患。正式にはダウン症候群という。正常な染色体はすべて2本組であるが、21番染色体が3本組の時に発症する。この染色体異常は生殖細胞を造る減数分裂の際の不分離によって生じる。21番染色体は他の染色体と異なって生命活動への直接の影響がないため、死産、早期死亡に繋がるケースは少なく、障害を持ちつつも成長が可能なために、遺伝子疾患及び染色体異常の中では最も発生頻度が高いものの一つとなっている。臨床的には、知的障害、先天性心疾患、低身長、肥満、特異的顔貌等が挙げられるが、これらの程度には個人差が大きい。ダウン症は放射線被ばくの遺伝的影響であるとの説がある。疫学調査では母親の加齢とともに発生頻度の顕著な増大がみられ、レントゲン検査等の医療被ばくの影響が指摘されている。他方、中国の高自然放射線地域における住民の健康調査では他地域住民との比較で、ダウン症発生頻度に差はみられず、放射線の影響に関してはまだ明確に分かっていない。