大気汚染物質等の大気中での拡散の様子を表現する数式。大気拡散式はこれまで、国内外の大気乱流の研究者等によって数多く提唱されており、使用目的、使用分野、学界の習慣等によって適宜選択されている。原子力関係では通常排気筒から放出された気体状放射性物質の風下での放射性物性濃度を評価するために、大気拡散式が用いられる。原子炉安全委員会の安全審査指針の中に「発電用原子炉施設の安全解析に関する気象指針」が出されており、放射性物性濃度評価の基本拡散式としてパスキルが提唱した正規分布拡散式が示されている。この式では放出高さ、風向、風速、水平及び鉛直方向の拡散パラメータ(大気安定度で決まる)を入力することによって、風下の放射性物性濃度が得られる。