大気中に放出された気体状放射性物質の拡散による風下濃度は、風向、風速と大気安定度に依存する。大気安定度とは拡散の程度を表すパラメータで、風による力学的要因と大気層の温度勾配等による熱力学的要因とがある。原子力施設の平常運転時及び事故時における、放射性物質の環境大気中の拡散評価を行うとき、大気安定度は拡散幅を決めるための重要なパラメータとなる。わが国の原子力施設の安全評価では、大気安定度はパスキル・ギフォード法により、不安定から安定に向かってAからFまでの6段階分類する方式が採用されている。大気安定度による拡散輻の決定は国によっていくつかの方式がある。