ICRP(国際放射線防護委員会)が主に人為的な放射線源を対象として放射線防護の目標達成のために勧告している考え方の体系。放射線被曝による癌などの発生のリスクにはしきい値がないという仮定の下に、ICRPは原子力や放射線利用などの放射線被曝を伴う行為に対する線量制限体系を勧告している。線量制限体系は以下の要件で構成される。(1)行為の正当化(被曝を伴うが利益の明確な行為については不当に制限せずに安全を確保)。(2)防護の最適化(経済的、社会的要因を考慮して合理的に達成できる限り被曝を低く抑制)。(3)個人の被曝線量の限度(職業被曝と公衆被曝に関する実効線量と等価線量の限度)の設定と適用。